エヌビディアの本社があるIT企業の集積地・シリコンバレー。本社近くのファミリーレストランには30年以上前に創業者のジェンスン・フアンCEOがここで会社の設立を決めたというプレートが。アメリカンドリームを体現するエピソードとして知られている。エヌビディアが先週開いた開発者向けのイベントのテーマは「AIの新しい時代」。フアンCEOの講演には過去最多の1万1,000人が集まった。発表したのは新たな半導体「ブラックウェル」。エヌビディアの従来製品に比べ学習性能は4倍、推論実行性能は最大30倍処理性能が高いとしている。フアンCEOは「今は大量のデータを学習することで複雑な問題にも解答を導き出せる生成AIによる新たな産業革命が起きている」と発言。「新たな半導体はこの産業革命を推進するエンジン」としている。今年の後半にも利用可能となる予定で、アマゾンやグーグル・マイクロソフトなどで導入が見込まれている。また、イベント会場ではエヌビディアの半導体を使った生成AI開発企業などによる300もの展示が行われ、最先端の技術を披露し、投資家の関心を集めていた。一方、生成AIの活用に伴い課題にもなっているのがAIが学習に使うデータの著作権侵害などのリスク。そこに着目したのがイスラエルの企業「ブリア」。著作権・プライバシーなどを侵害しないようネット上の画像を作らず、身元のはっきりしたパートナーからデータ提供を受ける。そうすることで世界の誰もが自由に安全に使える画像や動画の生成AIの提供を目指しているという。生成AIに欠かせない半導体の性能も向上し、今後生成AIの技術開発は一段と加速しそう。
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