ブラジルで開幕するG20=主要20か国の首脳会議。重要な議題が貧困の撲滅。現地で注目される取り組みを取材。ブラジル南東部・リオデジャネイロ。ビーチには世界中から観光客が集まる一方、丘には貧しい人々が暮らすスラム街、ファべーラが広がる。リオにはファべーラが1000か所ほどあり、人口の2割に当たる約160万人が生活。9人家族の女性は、ひと月2万円の生活保護手当てだけで暮らしている。急激な物価高にも襲われ生活は更に苦しくなっている。ファベーラの一つバビロニア地区で寄付金などを利用した住民たちの取り組みが脚光を浴びている。住民たちが3年前に購入したのは太陽光パネル。組合を結成し、発電した電気は全て電力会社に売却。組合の参加者は負担金を払うが、電気代が割り引かれ、これまでより80%ほど安くなっている。取り組みはバビロニアを飛び出し、国内9か所に拡大。一方、支援金の不足などで更なる広がりは難しいため、住民の教育などにも力を入れている。NGO「ヘボルソラール」・エドアルド代表は「電気技術を学ぶ機会を提供している」と語った。住民の電気に対する意識は高まったという。