超大国・アメリカの外交政策を影から支えてきた情報機関、中央情報局。「CIA」の通称で知られるその組織は、東西冷戦下の戦後世界を様々な形で作り変えようとしてきた。中東のイランでは巧みな世論操作で政権を転覆させ、莫大な石油利権をアメリカにもたらした。欧州のハンガリーではラジオを使って反体制運動を煽り、市民放棄を焚きつける。南米のチリでは執拗な秘密工作を仕掛け、軍事クーデターを裏側から支援した。大義の下、アメリカの懐刀として暗躍してきたCIA。だが、世界は必ずしもアメリカの思い描いた通りには変わらなかった。今回は、超大国の”影”を担った組織の物語。