メキシコユカタン半島ではベニイロフラミンゴが毎年子育てのため集まる。塩分濃度が高く、過酷な環境で他の動物が寄らず、天敵が少ない。産む卵は1個である。幼い雛は水に濡れると体温が奪われ命にかかわる。産まれてしばらくは砂を高く盛った巣の上で暮らす。近年、季節外れの嵐が襲うようになった。地球規模の気候変動で年々発生時期が早まっている。雛が十分育たないうちに嵐が到来する。高くなる波が子育て中の巣を襲う。巣に溜まった雨を必死に救うが猛威を振るう嵐になすすべもない。繁殖地は壊滅的な被害を受けた。過去には雛が全滅した年もある。寒さに震える雛は水からあがらなければ死んでしまう。親鳥は見守ることしか出来ず、助かる道は自力で巣に戻ることである。