民主化のリーダー・ベニグノアキノ暗殺事件。アキノ氏の暗殺事件が起きたとき、外交官としてマニラに駐在していた元在フィリピン日本大使館・政務班長・山本忠通さんは真相究明委員会のメンバーから事件の背景を聞かされたそうだ。3年後、アキノ氏暗殺に軍が関与していたことが明るみに出ると反マルコスを叫ぶ民衆運動が頂点に達する。マルコス大統領と夫人は米国に亡命。ハワイに逃れ、およそ20年の独裁政権が幕を閉じた。新たに大統領に就任したのはアキノ氏の妻コラソン氏。夫の遺志を継いで民主化を実現させたが、それから36年。2022年、独裁政権で失脚したマルコス氏の長男が新大統領に選出された。YouTubeチャンネルを通じて支持を集めたマルコスジュニア。選挙戦では、両親の時代を美化しその功績を発信した。テレビの力で政権を追われた父。その息子は、SNSの力で政権の座についた。