世紀の接戦ともいわれるほどわずかな票の変化が勝敗の鍵を握る中、激戦州でハリス副大統領がアラブ系有権者の支持獲得に苦戦する状況が続いている。12万人以上のアラブ系米国人が暮らす東部ペンシルベニア州は、今回の大統領選挙の勝敗を左右する最大の激戦州。前回の大統領選ではわずか8万票あまりの差でバイデン大統領が制した激戦の州で今、ハリス副大統領の支持が伸び悩んでいる。要因の1つは混乱が続く中東情勢。アラブ系の有権者は、バイデン政権で副大統領を務めるハリス副大統領もイスラエル寄りでガザ地区などでの虐殺に加担していると不信感を強めている。ペンシルベニア州フィラデルフィアでアラブ系有権者のために活動するマルワーンクレイディ氏は「ハリスが信頼を回復するためにはイスラエルへの武器輸出の停止など断固とした措置を打ち出すべきだ」と訴えている。アラブ系有権者が対象の世論調査ではハリスがトランプ前大統領を2ポイント下回っている。