日本製鉄は「USスチールが今週開いた取締役会でアメリカ国内の2つの製造拠点に3億ドル(440億円余)を投資する計画を承認した」と発表した。具体的にはインディアナ州にある最大の製造拠点で自動車向けなどの製品の拡充を図るため設備改修を行う他、ペンシルベニア州の製造拠点で鉄の製造過程でできる「スラグ」をリサイクルする設備を新設するとしている。今回の投資を手始めに2028年までに110億ドル(約1兆6,000億ドル)を投資する計画。買収を巡ってはアメリカ政府が経営の重要事項について拒否権を行使できる「黄金株」1株を取得し、一定の影響力をもつことになる中、日本製鉄としてはアメリカ政府の理解も得ながら着実に事業拡大を進めたい考えで、巨額の投資に見合う収益を生み出せるかが焦点となる。