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「ホソツクシダケ」 のテレビ露出情報

北海道の森の奥できのこの撮影を始めた取材陣だったが、奇妙な出来事が起こった。前日までこの場所に生えていたのは毒キノコのベニテングタケ。それがどもかしこも根本からごっそりなくなっていた。生えていたベニテングタケを見てみると、怪しい煙のようなものに包まれ一瞬で消える様子が。別の場所でもこの現象は起きていた。その不可解な現象を確かめようとさらに見守るとエゾシカが毒キノコを食べていたことがわかった。エゾシカが好んでベニテングタケを食べることは研究者にも知られていなかったことだった。きのこは植物でも動物でもない菌類。身近な存在だがわからないことだらけだという
地球上の現在のような森ができてから数億年経過したが、その間森にひっそりと過ごすきのこ。北海道の阿寒摩周国立公園は針葉樹と広葉樹が入り交じる深い森。新井さんはきのこ写真家できのこのばかり写真を撮影している。コウバイタケは高さ数センチでしゃがまないと気づかないような大きさ。足元に広がる小宇宙はミクロの森のよう。そこにもきのこがあり、じっくり観察していると、新井さんはきのこが好きになるときのこをすぐに発見できるきのこ目になると話す。大きさもロも形も生え方もユニークなきのこだが傘能裏もひだ状のものだけでなく、穴がたくさんあいているものや、針のような突起がついたものも。日本でみられるきのこは5000種~1万種とも呼ばれる。その中で名前がついているものは3000種のみだという。しかしどのきのこもある共通の大事な役割を持っているが子孫を残すための役割を持つ。
傘のひだを拡大すると小さな粒は胞子で、子孫を残すために欠かせない。この胞子を作って飛ばすのがきのこ役割。最初は胞子を守るために閉じていて、成長すると徐々に開いていく。傘には胞子を雨から守る役割があり柄の部分はより高い位置で胞子を飛ばすのに役立つ。しばらくするとしぼんで地面に倒れる。多くのきのこはたった数日でしおれて倒れてしまうがきのこたちはその短い間に子孫を残すための胞子を残す。しかし森で出会うきのこから胞子が出ているようには見えないが、後ろから光を当てるとたくさんの胞子を出し続けている。大きさは1ミリの100分の1。一つのきのこが作る胞子は数億個にもなる。傘のないきのこのホソツクシダケは木の幹に生え、その表面2たくさんの胞子がついている。ホコリタケは、胞子を飛ばすために使用するのは雨。雨がきのこにあたると中の胞子がとぶ。ササクレヒトヨタケは傘のふちのところが溶けてできた液体にはたくさんの胞子が含まれ下に落ちることで自分が育った安全な場所に子孫を残すことができるという。
さらに発見したきのこはキイロスッポンタケ。15センチほどの大きさで、特徴はニオイで強烈な悪臭を放ち卵や魚を腐らせたようなニオイ。悪臭のもとは先端にある黒っぽい胃粘液。この粘液がキイロスッポンタケが胞子を遠くまで飛ばすまでかかせないという。虫が粘液をなめにやってきたが粘液には胞子が含まれていて、ニオイで虫を集めてその体に胞子をつけたり食べさせたりするという。早朝から伸び始め三時間ほどで成長するキイロスッポンタケ。虫たちが代わる代わる粘液をもっていき午後にはすっかりなくなった。大地にふり注ぐ雨。その潤いで豊かな森が育まれる、今この雨ときのこに深い関わりがあることがわかってきている。空高くを舞う花粉や砂粒などチリが核として周りに水分が集まって作られる雨粒。最近の研究できのこの胞子も雨粒の核として重要な役割を果たしていることがわかった。
きのこから放たれる森を漂う目に見えない無数の胞子の中には風にのり森の外に飛ばされるものも。遙か上空まで飛ばされた胞子は雨粒の核になっていく。きのこ自ら成長にかかせない雨をふらせているという。とくにきのこの胞子には表面の凹みなどに水分を効率的にためるメカニズムがあり雨を生み出す能力が高いとされる。胞子が地面や倒木の上にたどり着くと発芽して地下に菌糸をのばす。枝分かれしながら伸びていく菌糸だがきのこはこの菌糸で周りから栄養を吸収し成長していく。菌糸は別の菌糸に出会うと合体し、こうして別の菌糸と合体した菌糸は枝分かれし広がっていく。十分に成長すると、菌糸は太い束になり子実体という胞子を拡散するための器官になるという。これが日頃きのこと呼んでいる部分になるという。子孫を残す子実体は植物で言えば花のようなもの、その下には菌糸が網の目状に伸びている。中には1キロ以上菌糸をのばすものも。これが森に大事な役割を果たしているという。それは分解とよばれる働きできのこは菌糸から栄養を吸収する過程で落ち葉や倒木などの有機物を分解し、森を育むのに必要な養分を作り出す。きのこの働きによって植物は姿を変えて森を形つくる。
きのこは分解以外の力をもつきのこも。ちょっと変わったきのこを探しに向かったのは日本地下生菌研究会。地下に子実体を作る菌がいるというが保坂博士が探すのは、特定の木の根の近く。倒木ではなく生きた木の根本を探した。すると、トリュフの仲間のイボセイヨウショウロが。日本でも100種を超えるトリュフの仲間がいる。その多くがそれぞれ特定の生きた樹木と深い関係をむすぶ。これらのきのこは生きてる木と共存しているというがその代表格がマツタケ。特定の木の根元にした生えないきのこで、マツタケと松の間に共生関係があるからだという。同じく木と共生するベニテングタケは地下の樹木の根と菌糸はその先端とつながっている。木から栄養を貰う代わりにきのこも木に必要なミネラルを渡す。こうして共生することでお互いに効率的に成長できるという。森の木々の殆どはこうして菌類と強制している。さらに森の地下で縦横無尽に伸びた菌糸は複数の樹木の根と繋がり、いくつもの菌糸が樹木と樹木をつないで地下にネットワークを作る。最近の研究では森野樹木同士がこうした菌糸を通してお互いに栄養をやりとりしているのではと考えられている。
トリュフの仲間には、もう一つの大きな特徴に胞子の飛ばし方。ヨーロッパで行われているトリュフ探しの方法では豚が匂いをかいでそこを掘るとトリュフが見つかる。ヨーロッパで食べられるトリュフはメスの豚が好むニオイをしていてイノシシの仲間に食べられ糞として排出されることで胞子を遠くに飛ばす作戦のためと考えられる。エゾシカベニテングタケを食べていたがこれもベニテングタケが胞子を飛ばすための作戦の可能性があるという。きのこをたべにやってくる生き物は他にもカタツムリが。こうして様々な生き物からきのこが食べられるのを狙っている可能性が。生き物が餌にするきのこはたいていしおれたきのこ。ニオイをだして胞子を食べさせたり体に付着させたりして遠くに運んでもらおうとしているという。きのこは傘がしおれ地面に落ちてから虫が多く集まっている。その頃に一層ニオイも強くなるものが多いという。こうして風を使って胞子を飛ばしおえたきのこの多くが虫たちを呼び寄せ胞子を運んでもらおうとしている可能性も。
さらに観察すると一種のきのこに同じ種類の虫が集まっているのがよく見られる。ツガノマンネンタケにはそっくりな色の虫が。赤きくらげの仲間にはマルトビムシの仲間がたくさんいた。多くのきのこは特定の相手に見つけてもらう工夫をしている可能性がある。きのこは虫が同じ種がいる場所に胞子を運んでくれ、虫はきのこのある場所を出会いの場にすることも。また毒も他の生き物たちとの関係の中で生まれたものと専門家は考える。きのこたちは決まった時期に決まった生き物にはよってきてもらいながら辛味や苦味などで望まない相手からは身を守ろうとしているという。それぞれのきのこが誰に向けどんなメッセージを発するのかは多くの謎に包まれる。エゾシカは毒のあるベニテングタケを食べていたがベニテングタケは成長するに連れて毒が弱まるという研究もあった。鹿が食べているのはある程度柄がのびたものでベニテングタケはそのころになると鹿にむけてメッセージを残している可能性も。

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