ロシアで来年3月に行われる大統領選挙にはプーチン大統領が立候補を表明しているほか、野党などから候補擁立の動きが出ている。ロシア中央選挙管理委員会はプーチン大統領に批判的な独立系の女性エカテリーナ・ドゥンツォワ氏の立候補の届け出について、提出書類の不備を理由に認めなかった。71歳のプーチン大統領は立候補に推薦人500人と40の地方からの署名30万人分を必要としている。2024年からは独立系からの立候補が認められたが、プーチン大統領は憲法の改正を行い任期の延長を図っている。公正ロシア党のミロノフ代表は戦時を理由にプーチン大統領を支持を表明した。エカテリーナ・ドゥンツォワ氏は立候補を妨げた中央選管の決定を不服とし、最高裁に上訴する意向。ドゥンツォワ氏はウクライナ侵攻に歯止めをかけ、政治犯を釈放することを訴えている。現体制の反対勢力はプーチン氏が反対派を排除してきたとしている。ウクライナ侵攻に反対する陣営からは元下院議員のボリス・ナデジディン氏も立候補を目指し、兵士の家族からの支持が集まっている。一方ナデジディン氏は「プーチン体制の転覆より命が大切だ」と述べている。プーチン氏の反対派の多くは獄中で死亡、または亡命を余儀なくされている。共産党からはハリトノフ氏が立候補を表明しているが、2004年の選挙では得票が14%にとどまり、手強いとは言い難い。大統領選挙を前に国防省はロシアがウクライナを押し戻している主張する映像を公開した。ウクライナでの戦況が行き詰まりを見せる中、ロシアの国営メディアはロシア国内の8割がプーチン体制の維持を求めているとしている。