アメリカ国旗の前で会見を行う2人の人物。ここは、地上からおよそ400km上空を周回するISS（国際宇宙ステーション）。宇宙飛行士・スニウィリアムズは「浮遊しているのは気分が良いですし、宇宙で国際宇宙ステーションのチームと働くのは良い気分です」と話し、無重力空間で器用に後ろ向き宙返りも披露するなど、リラックスした様子。しかし、実際には困ったことになっている。2人は先月、米国・フロリダ州から打ち上げ新型宇宙船「スターライナー」に乗り、国際宇宙ステーションに到着した。滞在予定はおよそ1週間。しかし、1か月以上が経った今も帰還できないでいる。ボーイング社が開発した新型宇宙船「スターライナー」は先月、試験飛行として初めて宇宙飛行士2人を乗せて国際宇宙ステーションに到着した。当初は1週間ほど滞在して地球に帰還する予定だったが、スターライナーの装置の不具合が原因で、1か月以上経った現在も2人は国際宇宙ステーションから戻れずにいる。宇宙飛行士・バッチウィルモアは「これまで設計されたどんな宇宙船にも複数の問題は存在しました」、宇宙飛行士・スニウィリアムズは「この宇宙船が私たちを問題なく帰還させてくれると確信しています」と話す。今回のように、急なトラブルによって滞在が長引くことで宇宙ステーションに問題は生じないのか？。およそ3年前に滞在していた宇宙飛行士の野口聡一さんは「ISS自体は非常に広い空間ですし、食べ物とか予備の物資もあるので、1週間の予定が1か月になること自体は、それほど問題はないと思う」と話す。また、地球への帰還の遅れを招いているスターライナーの装置トラブルについては「宇宙船としては問題ないんですけど、地球に戻る時、姿勢を一定に保つためのスラスターというエンジンが一部動かない状態で無事に帰れるかというのを確認している。念には念を入れて確認していると思う」と説明。NASAによると、地球への帰還は早くても今月中旬以降になる見通し。