マイクロソフトの創業者で知られるビル・ゲイツ氏(69)にインタビュー。彼が世に送り出した「Windows」は一時世界シェア90%超えたといわれるほど爆発的に普及。アメリカ・フォーブスの「長者番付」では世界1位に18回、2位に7回輝いた。今回ゲイツ氏が来日したのはTICAD=アフリカ開発会議に合わせ「グローバル・ヘルス」(国境を超え人々の健康を守る支援)を呼びかけるためだった。ゲイツ氏は2000年に「ゲイツ財団」を設立し、感染症・貧困・予防可能な母子の死をなくすことを目標とし、累計12兆円超を支援してきたほか、11億円の子どもたちにワクチンを供給するなどし成果をあげている。ゲイツ氏は「重要なのは子どもたちが生きること。健康で体や脳が成長することです」と語った。こうした活動は両親の「多くを与えられた者は多くを求められる」という言葉が影響している。これは新約聖書に登場する言葉で財産・才能・地位などを多く持った人は責任や行動が求められるというもの。この教えを胸に刻んできたゲイツ氏は今年5月全世界を驚かせる“発表”を行った。それは自身の財産・財団の資金をあわせた約200億ドル=約30兆円を2045年までにほぼ全額支援に回し“使い切る”というもの。昨今の世界情勢では国際支援が縮小する動きもある。アメリカ政府機関の「USAID」は今年7月トランプ政権により支援事業の殆どを停止され事実上“解体”。これにより2030年までに1400万人以上が新たに死亡するとの推計がある。ゲイツ氏は「資金面だけでなく“声を上げる”責任があります。政府に働きかけるべきなんです」としている。
