熊本県と大分県にまたがる阿蘇くじゅう国立公園の周辺では、大規模な太陽光発電施設「メガソーラー」の建設が相次いでいる。このため地元の自治体から環境省に対して、草原の保護や景観保全などを求める要望が出されていた。これを受けて環境省は、メガソーラーの設置の防止に向けて国立公園の区域を拡張するかどうかおよそ2年にわたって検討した結果、熊本県内にある合わせて3300ヘクタール余りの土地を国立公園区域として拡張する計画案をまとめた。そして、この計画案がきのう開かれた熊本県の審議会で了承された。拡張される区域には特別地域と普通地域があるが、このうち特別地域では原則としてメガソーラーの設置ができなくなる。環境省は計画案を今年度中に決定する方針で、メガソーラーの設置を防ぐことを目的に国立公園区域が拡張されれば、全国でも初めてのケースになるという。