去年12月、Yamaha Sound Crossing Shibuya、ドラムを叩くのはロックバンド・RADWIMPSの山口智史さん。持病による足の不調で無期限休業に入ってから人前での演奏は9年ぶり。右足に違和感を覚えたのは2009年のツアー中。発症したのはミュージシャンズ・ジストニア。無意識に筋肉が異常に緊張し、自身でコントロールできなくなるジストニアの症例の1つで、原因はまだ十分に解明されておらず、音楽家の間で大きな課題となっている。2015年9月、無期限の演奏活動休養を余儀なくされた。2020年、慶應義塾大学環境情報学部・藤井進也准教授と出会う。山口さんは藤井准教授と共同研究に乗り出した。もう一つの大きな出会いが和太鼓。声でドラムを再び。ヤマハに交渉し、去年春、共同開発が始まった。声、歌、ドラムをかけ合わせ「VXD」と名づけた。そして、9年ぶりにステージへ。声でドラムを奏でてRADWIMPS「25コ目の染色体」「セプテンバーさん」を演奏した。会場にはRADWIMPSベースの武田祐介さんの姿も。山口智史さん「新しい器、新しい楽器、足では出来なかったような音楽表現、ドラマーとしての表現を探求していきたい」などと話した。