世界的ベストセラー「サピエンス全史」の著者でイスラエルの歴史学者・ユヴァル・ノア・ハラリ教授が慶応義塾大学三田キャンパスで開かれたイベントに登壇。「サピエンス全史」など世界累計4500万部のベストセラー作家で、今月、情報という側面から人類の歩みを読み解く新刊を日本で発売。集まった学生らを前に、ハラリ教授が指摘したのは、AI(人工知能)が身近な時代に情報=真実ではないと認識する重要性。ハラリ教授は、まん延するうそ情報について「ソーシャルメディアの問題は、人間がウソを生むからではない。問題なのはアルゴリズムによって意図的にウソやヘイトスピーチが拡散されてしまうこと」と指摘し「ソーシャルメディアの運営側がもっと責任を持つべきだ」と語った。最後に学生へのメッセージを求められると「AIにはたくさんのポジティブな可能性もある。どうやってAIの開発を止めるかという話ではない。ただ安全に発展させたいという話で、そのカギになるのが、人間同士の間に信頼を醸成すること」と述べた。