北極圏の氷の下30mの秘密基地の電力を賄おうと小型原子力発電所が運び込まれた。原子炉を設置した後に照射線量を測ったらとんでもない数値が出て慌てて周りを閉鎖したという。その後、鉛の壁などで防護し、なんとか再稼働できた。作業員たちは快適な生活を送れるようになった。当時のアメリカはソ連に対抗するため一刻も早く秘密基地を完成させたかった。1961年4月、ソ連がユーリー・ガガーリン少佐による人類初の有人宇宙飛行を成功させた。一方、秘密基地では核ミサイルが発射台に移動するためのトンネル工事が始まっていた。トンネル工事はトップシークレット扱いのため映像は残っていない。当時、秘密基地で働いていたという人物は自分で撮ったトンネルの写真を持っていた。建設が始まって7年後の1966年、アメリカはこの秘密基地を諦めることを決定した。断熱処理をしていたはずなのに温度が上がり、氷が溶けだした。そもそも氷河はゆっくりだが動いていて、真っすぐだったトンネルも徐々に変形して崩れ始めた。結局、秘密基地は封鎖することになった。その後、米ソ間の対立も終結し、1990年代には秘密基地も公になった。封鎖から約50年が経過した近年、秘密基地が大問題に。アメリカ軍は撤収する際に原理ソは持ち帰ったものの、核廃棄物などはそのまま放置していた。ぶ厚い氷の下なら大丈夫だろうと思っていたらしいが、温暖化の影響で氷河が溶け始め、今世紀末までには核廃棄物が海に流れ出てしまう可能性が出てきた。