今回の調査で超深海に生息する生物の暮らしぶりが少しだけ分かってきた。まずエサにあつまってきたのはカイコウオオソコエビで、それをカマキリ型のヨコエビが巧みに捕らえていた。さらにそれをマリアナスネイルフィッシュが素早い動きと特殊な顎で食べていた。8000mの深海にカイコウオオソコエビを出発点とする生態系が出来ていたのだ。普段カイコウオオソコエビは最新の研究で、死骸の他に意外な食べ物を食べていたことが分かった。マリアナ海溝は鋭く深い谷の地形であるため、木の破片が沈んでくることがあり、カイコウオオソコエビはこれを非常に高い効率で分解しエネルギーに変える特殊な分解酵素”エキソセルラーゼ”を持っていることが分かった。水圧だけでなく食糧難を生き抜くための特殊な力も持っていた。