バイデン大統領のイスラエル訪問について海外メディアが「最悪のタイミング」と報じている。アメリカはイスラエルとの連携を示し、住民被害を最小限に収めるための方策を協議すること、イスラエルは国内での求心力を高め、ガザへの地上侵攻のお墨付きをもらうことが目的だと考えられる。会談の焦点は「人道危機の回避策」と「人質問題への対応策」で、アメリカはイスラエル側への前例にない支援を議会に働きかけることとパレスチナ側への人道支援で1億ドルを提供することを約束し、ネタニヤフ首相は揺るぎない支持に感謝の言葉を述べた。イスラエル訪問後、ヨルダン・エジプト・パレスチナ暫定自治政府の代表との4者会談の予定で、ガザ地区のパレスチナ人の人道危機悪化、パレスチナ人の受け入れ用意、エジプトへのラファ検問所の制限緩和交渉、パレスチナ暫定自治政府へのハマス制圧後のガザ地区の統治についての話、などの狙いがあった。しかし訪問直前にガザで病院が爆発し、会談は延期となった。病院の爆発について、ハマス側は「イスラエル軍による新たな戦争犯罪だ」と主張している。イスラエル側は「過激派組織・イスラム聖戦による誤射」だと主張していて対立している。今回の会談ではアメリカがイスラエルを伴ってパレスチナ側と対応していくことが重要だったが、病院の爆発で双方に働きかけるはずだったアメリカの立場はイメージとしてイスラエル側に寄ったようになってしまい非常に悪くなったという。