- 出演者
- 池谷亨 片渕茜 平出真有 中原みなみ 井出真吾 ジョセフ・クラフト
オープニング映像。
2日のニューヨーク株式市場はレイバーデーの祝日のため休場、ヨーロッパ株式・為替の値動きについて伝えた。
米国・ハリス副大統領が2日、日本製鉄によるUSスチールの買収に反対を表明する予定だと複数の米国メディアが報じた。日本製鉄にとっては買収に向けさらなる逆風になる。関係者によるとハリス副大統領は米国・ペンシルベニア州ピッツバーグで2日に開かれる集会で、「USスチールは引き続き国内で所有、操業されるべき」と発言する予定。ピッツバーグにはUSスチールの本社があり、買収に反対しているUSW(全米鉄鋼労働組合)も本部を置いていて、ハリス副大統領は鉄鋼労働者への支援をアピールする狙い。日鉄によるUSスチール買収をめぐっては、トランプ前大統領もすでに反対の意向を表明している。
ドイツの自動車大手・フォルクスワーゲンは、創業以来初めてとなるドイツ国内の工場閉鎖を検討していることを明らかにした。海外メディアによるとフォルクスワーゲンは声明で「ヨーロッパ市場には新たな競合が進出している。ドイツは競争力の面で特に後れを取っている」と指摘したうえで「コスト削減のために工場閉鎖も選択肢にある」としている。フォルクスワーゲンは全世界の従業員の約半分にあたる30万人程度をドイツで雇用している。
ドイツ東部・チューリンゲン州で1日に行われた州議会選挙で、移民や難民の排斥を掲げる右派「ドイツのための選択肢(AfD)」が、初の第1党となった。暫定結果によるとAfDが、前回2019年の選挙から9.4ポイント増やした32.8%の票を獲得する一方、ドイツ・ショルツ首相を支え、国政で主流派の政党は軒並み票を減らした。今回の州議会選は、2025年9月の総選挙の前哨戦と位置づけられている。
ニューヨーク市場は休場だったが、このところの米国の株式市場での注目について、ニッセイ基礎研究所・井出真吾さんがスタジオで解説。井出さんは「ナスダック指数ベースの予想EPS(1株当たり予想利益)が下がってきている」、NASDAQ・今期予想EPS、来期予想EPSのグラフによると、今季予想EPSがピークから2.4%下がり来季も0.6%ぐらいの下落しているとし、「もし今後また景気懸念が強まることがあればさらに悪化する可能性もある。」などとコメント。また、「株価はすでにやや割高感が既に意識されやすい水準になる」などとのべ、「ナスダック指数は1万8000ポイントを超えてくると高値警戒感が出そう」とのべた。日本株への影響について「半導体関連、ハイテク関連は日経平均との連動性が高い。ナスダック指数は」と語った。
為替の値動きを伝えた。
野村証券の後藤祐二朗さんのドル円予想レンジは146.50円~147.50円。後藤さんは「金融市場は安定感を取り戻していますが、市場では2024年中に100bp程度の米国利下げが織り込まれた状態が継続しており、9月の利下げ開始は確定的と言える状況です。年末向けて円高が定着するかは、米国利下げ開始に前後して、株式市場を中心に市場心理の安定が続くかが重要です。雇用統計を中心に、米国指標が底堅さを示せば、市場は9月25bp利下げでも十分と判断しています。米国金利低下の一巡だけでなく、株価の安定、上昇もドル円を支えそうです。失業率が一段と上昇する場合、市場はより積極的な利下げをFRBに最速する相場に移行し、米国金利低下圧力が再び強まるとともに世界的株高軟調も円高圧力になり、140円割れのリスクが再浮上します年末に向けての投資スタンスを考える上で、今週の指標を注視する必要があります」などと話した。
各国の10年国債の利回りを伝えた。
- キーワード
- 国債
世界の株価の値動きを伝えた。
井出さんの日経平均予想レンジは3万8500円~3万9000円。井出さは「日米の金融政策の方向性は見えてきたので、これからは企業業績、景気がより重視されます。日本業績の動向を確認すると、中間決算でまた引き上がっていくと思われます。懸念されるのは円高ですが、大きな問題はないと思われます。それよりも、米国の景気が最大のリスクで、特に米国の消費が重要ですね。失業率の上昇と平均時給の低下が続くと、消費失速の恐れが強まります。その場合、米国株下落、ドル安円高のダブルパンチになりかねません。米国の景気は正念場にあり、経済指標に一喜一憂する場面が続くでしょう」などと話した。
トヨタ自動車は、認証不正の影響で生産を停止していた「ヤリスクロス」・「カローラフィールダー」・「カローラアクシオ」の3車種の生産再開を延期すると発表した。不正が明らかになった6月から生産を停止していたが、安全性が確認できたとして、国土交通省が出荷停止指示を解除し、きのう生産再開予定だった。トヨタは、台風の接近に伴い、国内工場の稼働を停止していたことなどが影響し、生産状況が流動的になったためと説明。新たな再開時期は未定。
自民党総裁選挙に出馬表明している自民党・石破元幹事長は、きのうのBSのテレビ番組で、金融所得課税の強化について「実行したい」と述べた。そのうえで「課税を強化する場合は富裕層が海外に出ていかないような対策も議論するべき」との認識を示した。今月10日の出馬表明に向け初会合を開いた加藤元官房長官は、経済政策について「アベノミクスで改善した日本経済をさらに前に進めていきたい」と述べたうえで、少子化や過疎地域の対策を重視する考えを示した。
第一三共ヘルスケアは、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」や「ミノン」シリーズのシャンプーなど13品目について、10月1日に出荷する分から6~19%値上げすると発表した。原材料や包装資材の価格が高騰しているためで、ロキソニンSは希望小売価格が713円→768円になる。コメ価格の急騰などを受け、サトウ食品は「サトウのごはん」シリーズ64商品すべてを対象に12月2日出荷分から約11%~14%値上げする。
財務省発表「法人企業統計」では、企業の内部留保にあたる2023年度の利益剰余金が、前年度比8.3%増え、600兆9857億円となった。2011年度からの12年で2倍以上に拡大し、過去最高を更新した。4−6月までの金融と保険を除いた国内企業の経常利益は、35兆7680億円と四半期ごとの額として過去最高となった。
「8月マネタリーベース公表」など、今日の予定を伝えた。
- キーワード
- 日本銀行
クラフトさんは「先月のブラックマンデーの引き金になったのは、雇用統計からの米国景気減速懸念の高まりで、今後の景気データがより注視されます。今週注目されるのが雇用統計で、その前座としてISM製造業景気指数が発表される。多少改善が見込まれていますが、直近4カ月間に成長拡大を意味する50を割り込んでいます。2008年のリーマンと2020年のコロナショックを除くと、去年6月の46.4が最も低く、この水準を割り込んでくると、景気懸念が再び高まるおそれがあるため注視していたいですね。ソフトランディングだが、嫌なのはマーケットもソフトランディングコンセンサスなので、コンセンサスが高まるとはしごを外されるリスクがあるため注視していきたいと思います」、井出さんは「ISM製造業景気指数50割れが続いているのは、単なる都市伝説かもしれない。過去50年間で見てみると、ISM製造業景気指数が50を割り込んでも景気後退に陥らなかったケースの方が多いんです。46.4を割り込むとさすがに警戒されるが、実際は45のところが意味があるのかもしれないですね。今回も、前回と同じ46.8だったらまだ大丈夫です。市場では47.5と予想しており、期待に反して悪化するようなことがあれば、仮に45より高くても警戒が強まる恐れはあります」などと話した。
全国の天気予報を伝えた。
ロールシャッハ・アドバイザリーのジョセフ・クラフトさんの解説。バイデン大統領が核使用ガイダンスを3月に大幅に改定していたことが発覚。アメリカの核使用指針が戦後初めて根本的かつ大幅に変わった可能性が示唆される。改定のポイントは敵対連携。敵対連携というのはこれまでロシア一国を対抗軸とした核抑止戦略が決められていたが、今回の指針ではロシア、中国そして北朝鮮が連携してアメリカを攻める脅威を挙げている。冷戦時代から核リスクなどが根本的に変わったことを意味する。もうひとつのポイントは中国の核軍拡。ペンタゴンは中国は現在保有している500発の核弾道ミサイルを2030年までに1000発、そして2035年までに1500発まで拡大と予想。バイデン政権を悩ませているのが中国の対話姿勢。米中首脳会談では声明文には核兵器抑制に関する文言が盛り込まれたが、それ以降中国は協議に応じていない。他に直近で懸念しているのが中東。イスラエル国民の多くは停戦を求めている一方国民から高い支持を得ているのがイランの核兵器開発の抑止。ネタニヤフとしては起死回生の戦術としてイランの核施設を狙う口実を模索しているのではないかと言われている。アメリカが中国と北朝鮮を核兵器の脅威国と位置づけていることは日本の安全保障にとっても重要な意味合いを持つ。2024年日米の安全保障関連の動きを紹介。個人投資家は一定程度こういう危機的なリスクが起きた時にどうすべきなのかというシナリオプランニングぐらいは念頭に置いておいた方がいい。
政府は2026年度に本格導入する温暖化ガスの排出量取引制度で、排出削減を達成できなかった企業が他の企業から排出枠を購入しなかった場合に課徴金を課す調整に入った。温暖化対策に積極的ではない企業に事実上の罰則を設け、取引制度の実効性を高める。2025年の通常国会で提出を目指すGX推進法の改正案に盛り込む方針。(日経電子版)