- 出演者
- 矢内雄一郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 中空麻奈 門田真一郎
オープニング映像。
株と為替の値動きを伝えた。ジャクソンホール会議の講演でパウエル議長は9月の利下げをほぼ確約、講演は全体的にハト派的と受け止められた。3指数とも1%以上上昇。
週末の主なニュース。米国7月新築住宅販売件数(前月比・年換算)73万9000戸(↑10.6%)。市場予想62万5000戸を大きく上回り、去年5月以降で最も高い水準。南部↑2.9%、北東部↑6.9%、西部33.8%、中西部↑9.9%。すべての地域で増加。7月新築住宅販売価格(前年比):中央値42万9800ドル(↑2.6%)。
- キーワード
- アメリカ
FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は23日、ジャクソンホール会議で行った講演で、来月に利下げを行う考えを明らかにした。パウエル議長は「インフレの上振れリスクが減少した一方、雇用の下振れリスクは増加している」との認識を示し、「労働市場を支えるためなら、できることは何でもする」と強調。そのうえで「金融政策を調整する時が来た。金利が向かうべき方向は明確だ」と述べ、来月から利下げを始めることを強く示唆した。今後の利下げの幅やペースは「データ次第」として、具体的な見通しを示すのは避けている。
パウエル議長の演説について、ジャクソンホール会議に出席した著名なエコノミストのピーターソン国際経済研究所・アダム・ポーゼン所長は「サプライズはなかった」としたうえで、「今後FRBが再び利上げに迫られるリスクがある」と懸念を示し、「9月利下げは確実で、その後も利下げを続けるだろう。12月の利下げは半々といったところだ」と述べた。景気の先行きについてFRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は、慎重な見方を示しつつも景気後退につながるような深刻な状況だとは見ていないと指摘。ピーターソン国際経済研究所・アダムポーゼン所長は「パウエル議長は景気後退前に見られるような(大規模な)人員削減を起きていないと言った。前年度は雇用が増え、力強く回復した。バランスシートは強固で融資環境も良好。生産性も上がっている。景気後退とは言えない」と述べた。ピーターソン国際経済研究所・アダムポーゼン所長は、FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長が「長期的なリスクについて触れなかった」と批判したうえで、金融政策が今後、再び利上げ局面を迎える可能性があると警告した。ポーゼン所長は「真の問題は、パウエル議長の演説が、次の1カ月に集中し、ここ数カ月のデータばかり見ていたこと。インフレの上振れリスクはまだまだ多い。長期予想に触れないことで、金融政策が逆転した時の市場のショックは大きい。トランプ前大統領が再選し、移民政策や貿易、金融政策で行動を起こせば、(物価が上昇し)、1年後また利上げを迫られるだろう」と述べた。
ジャクソンホール会議でのFRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長の発言について、BNPパリバ証券・中空麻奈さんがスタジオで解説。中空さんは「日銀が行動後、いちばん悩んでいるだろう人はパウエル議長。米国の景気は強くないと思っていて、どこかで腰を折れるのではないかと思っているが、なかなか腰折れの数字が出てこない。住宅も強い。これを見て金利を下げようというのは難しい。労働市場にかこつけて金利を下げようとしている。25に確定してきた気はする。利上げもあると言われると悩ましい。やらなかったら結構売られる。やったらやったで、本当にバブルを象徴させないかと非常に悩ましい」とコメント。バークレイズ証券・門田真一郎さんは「FOMC(連邦公開市場委員会)議事録で利下げ方向が出て、パウエル議長も共有。ドルの売りで反応。雇用統計など今後の指標次第で利下げペース幅が決まってくるが、マーケットは利下げを一気に織り込むようなほうに行っているので、どこかで強い指標が出てくると、少しドル買いに戻るリスクもあるのでは」とのべ、為替の反応について「すでに米国の金融環境は緩和的になりつつある状況。どこまで利下げが必要かは見極めていく必要がある」などとのべた。
今週の為替は。門田さんに聞く。ドル円予想レンジ:141.70円~146.90円。注目ポイント:米利下げと大統領選が焦点。門田さんはドルの各通貨に対する変動などについて解説した。ドル売りの要因について門田さんは「7月、米雇用統計の下振れなど、米利下げ観測の強まり」「8月、米雇用統計が再び弱い結果の場合、ドル売り圧力が強まる」とした。大統領選の支持率はハリス氏がトランプ氏を逆転している。門田さんは「まだ両者が対峙して議論したわけではないので、討論会をしてハリス氏が優勢となればもう一段ドル売りが強くなる可能性もありますし、トランプが優勢となればドルの買い戻しの可能性もある」など話した。
10年国債の値を伝えた。
- キーワード
- 国債
株式先物の値を伝えた。
きょうの株は。SMBC日興証券・安田さんに聞く。日経平均予想レンジ:38200円~38500円。注目ポイント:1Q決算を踏まえた今後の日本企業の業績動向。安田さんは決算ポジティブ・サプライズ比率とリビジョン・インデックスについて解説した。安田さんは「中間決算以降も好調が続いていくためにはマクロ環境、特に米国景気が悪化しないことが必要不可欠です」「国内景気につきましても回復の兆しが出始めていると捉えています。今後は賃上げ効果と過度な円安の是正により個人消費の回復も企業業績の追い風になる」などと話した。
事実上国のトップを決める自民党総裁選への出馬に意欲を示す上川外務大臣は、出馬に必要な20人の推薦人の確保に自信を示した。出馬表明の時期の最終調整を進めているとしている。出馬の意向を固めている茂木幹事長はきのうの講演で「覚悟を持った決断を近く行う」と述べ、近く出馬表明をする考えを示した。総裁選へはすでに小林前経済安全保障担当大臣と石破元幹事長が出馬を表明。河野デジタル大臣はきょう、小泉元環境大臣も30日に出馬表明を行う予定。高市経済安全保障担当大臣や加藤元官房長官なども出馬を目指し、推薦人の確保を急いでいる。
26日:アメリカでは7月耐久財受注が発表。27日:アメリカで6月S&Pケースシラー住宅価格指数や、8月消費者信頼感指数の発表が予定。28日:米国決算・エヌビディア。29日:米国4−6月期GDP(国内総生産)改定値が公表。30日:国内では7月失業率、有効求人倍率などが発表予定。また、アメリカでは7月個人消費支出物価指数が発表。FRB(連邦準備制度理事会)、利下げを後押しする内容となるのか注目。ユーロ圏では、8月消費者物価指数(HICP)の公表を予定。
火曜日に米国消費者信頼感指数が出ることについて中空麻奈さんがスタジオで解説。中空さんは「米国の景気は強すぎると思っている。どこかで腰折れるのではと思っている。2020年に短い間に0から5%まで金利をあげたことの副作用があまりきていないので、さすがに来るのではと思い続けている。個人消費や消費動向に影響が出るのではと思っている。それが景況感などに出てくるとよくないと思っている。景況感指数に今週は注目」、BNPL(後払い決済)について「お金もないのに消費が出てきていること自体が何かおかしい。誰かが目詰まりを起こせば、一気に消費が滞ったり、デフォルトが起きたりすることがあると思っている。それに注意」。米国個人消費支出物価指数について門田真一郎さんがスタジオで解説。門田さんは「いわゆるPCE(個人消費支出)デフレーター。これのコアの部分が、コンセンサス前月比0.2%。おおむね前月比程度の水準が予想されている。発表されたCPI(消費者物価指数)と同様に減速基調が確認されれば、今後の利下げ基調の見通しがつく。焦点はより雇用。パウエル議長もインフレリスクより雇用のリスクと言っているので、雇用統計の方が重要では。下方修正が大幅に発表されたので、仮にまた下振れであれば、利下げの織り込みが25より50に寄ったり、上振れると25に寄ったりと雇用統計が次の大きな焦点」「昨年末時点で春から利下げをすると言っていたのが、インフレが上がってきたのでできなかった。今後インフレが上がってくると雇用よりインフレとなるリスクはあるのでは」とコメント。
全国の天気予報を伝えた。水曜日以降は台風10号の影響で西日本を中止に大荒れとなる恐れがある。
- キーワード
- 台風10号
番組にレギュラー出演する専門家が経済の先行きを独自の分析で予想するコーナー。調査は8月23日~25日、インターネット経由で実施し、38人から回答を得た。日経平均株価の8月30日(金)終値の予想、中央値は3万8,400円と先週末の終値とほぼ同じ水準。中央値を600円上回る3万9,000を見込む和みキャピタル・村松さんは「利下げサイクル入に注目した株式の好循環が起きているアメリカ株に連動する形で日本株も上昇する」と見ている。一方、中央値を600円下回る3万7,800円を見込むみずほ証券・三浦さんは「円高が日本株の上値を抑える」と分析している。ドル円相場の今週末の予想について、中央値は144円。中央値と同じ水準を予想するマーケット・リスク・アドバイザリーの深谷さんは「ドル金利の先安感や日銀の緩和修正姿勢で上値が重い」と予想。先週「セブン&アイホールディングス」がカナダのコンビニ大手から買収提案を受けたことが明らかになった。サーベイでは今回の一件をきっかけに、海外企業による日本企業への買収提案や敵対的TOBが広がるか聞いた。回答は「広がる」が過半数。「広がる」と答えたりそなアセットマネジメント・戸田さんは「日本企業が資本コストを意識した経営へと転換している他、急激な円安・欧米の金融引き締めが終焉する見込みが突いたことで日本企業に投資しやすくなってきたこと」を理由に上げている。番組レギュラー陣の予想から、景気先行きを算出する「モーサテ景気先行指数」について。3ヶ月先の日本の景気を占う指数は30.3と3週連続改善した。海外ではアメリカが悪化、ヨーロッパ・中国は改善した。
きょうのテーマは「クレジット市場から見た欧州」。中空さんは「7月30日にGDPが発表されたんですが、それによると冴えないです。ユーロ圏全体でみるとGDP前期比0.3%増、ECBの予想が0.4だったので少し低めという程度。ユーロ圏のPMIは下がってきており、実質GDPも下がるだろうなと言うふうにみえてきた。全体的なトーンも残念ながら下がり基調だと思っている。ユーロ全体ではこうだが、国別には差があり2024年の第2クウォーターではドイツがとても良くない。ユーロ全体を引っ張っているのはスペインで、財とサービスで見るとサービスが欧州のGDPを牽引している。ドイツがスペインやフランスと比較して悪い理由は強いと言われているドイツの製造業が弱いからではないかと思う。ドイツがこれだけ弱いのでユーロ圏全体はあまり冴えないはずだが、スペインが良いことでトータルで見ると”冴えない”程度で治まっている。ドイツはこのままダメになるわけではなく、このまま維持されるのではないかと思う」と話した。
- キーワード
- 欧州中央銀行
ユーロ圏の物価動向について。中空さんは「ユーロ圏の消費者物価のコアを見てみると、ずいぶん下がってきているのがわかると思う。本当はもっと上がるはずだったが上がらなかった。理由はパリ五輪でフランスによるサービス価格が上がるんじゃないかと思われていたが、あまり上がらなかった。その理由はフランスに人がいっぱい来てしまうだろうということで、このバカンスシーズンにフランスを外してみんなが旅行に行っちゃったというのがある。フランスは思ったよりも上がらなかったことと、フランス自体も観光価格を設定できず、サービス価格が上がらなかった。それによりもっと上がるはずだったものが上がらなかったということもあり、物価が落ち着いて見えるということになっている。欧州は組合が強く、労働者が強くなってきている。これまでは妥結賃金がユーロ圏の消費者物価を下げとどめてきたが、このところの雇用統計・労働統計を見てみると、だいぶ逼迫していた労働市場がかなり緩和モードに入ってきたことが読めるようになってきた。そうすると妥結賃金もそろそろピークアウトして下がってくるんじゃないかということが期待できる。するとユーロ圏全体が上げてきた妥結賃金が下がることで安定的に推移するだろうと思われてきた。」と話した。ヨーロッパ投資の戦略については「実は今はヨーロッパはおもしろいと思っていて、ヨーロッパは情報も少なく投資しにくいところがあって、割といつも同じ格付けなら割安になっていると思われるので、ここからのタイミングでアメリカに比べて欧州のクレジット投資とか様々な投資ポイントが出てくる。格付けが上がったり下がったりすることが出やすくなる。預金とシニア債務は格付けが同じ扱いだと言われてきたが、この間の欧州委員会では『差はあるんですよ』という話が出てきた。これから先は預金よりも銀行シニアの方が1つ格付けが下がる可能性が出てきた。これはオリコンでおいて良いリスクだと思う」などと話した。
観光立国を目指す上で欠かせないのが国際会議の開催。東京など主要12都市の過去10年の開催数をハードルが高い世界基準でみると大幅に減ることが分かった。記事が注目したのは日本政府観光局と世界で普及する国際会議協会の物差しの違い。日本は1回でも開いて3カ国50人以上の参加があれば数に含むが、世界基準は3カ国以上の持ち回りで定期開催など線引きが厳しくなっている。12都市の合計が最多となった2019年の数を見ると、国内基準だと2964回だったのに対し世界基準だと402回。グローバルには通じない内輪の尺度がまかり通ったままでは競争力の向上は一層遅れかねない。(日経電子版)
ジャクソンホール会議を通過し、マーケットに米国の利下げ前夜のムードが漂う中、投資家は脱インフレ時代の勝ち組みを探そうとしている。経済成長率が高い東南アジアへの資金流入が増え始めている。今月中旬以降東南アジア株は軒並み高値を更新。インドネシアのジャカルタ総合指数は21日に過去最高値を更新。マレーシアのクアラルンプール総合指数もおよそ3年8ヶ月ぶりの高値をつけた。米国の利下げ観測を背景に米国と東南アジア各国との金利差が縮小、為替相場も反転。(日経電子版)