パウエル議長の演説について、ジャクソンホール会議に出席した著名なエコノミストのピーターソン国際経済研究所・アダム・ポーゼン所長は「サプライズはなかった」としたうえで、「今後FRBが再び利上げに迫られるリスクがある」と懸念を示し、「9月利下げは確実で、その後も利下げを続けるだろう。12月の利下げは半々といったところだ」と述べた。景気の先行きについてFRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は、慎重な見方を示しつつも景気後退につながるような深刻な状況だとは見ていないと指摘。ピーターソン国際経済研究所・アダムポーゼン所長は「パウエル議長は景気後退前に見られるような(大規模な)人員削減を起きていないと言った。前年度は雇用が増え、力強く回復した。バランスシートは強固で融資環境も良好。生産性も上がっている。景気後退とは言えない」と述べた。ピーターソン国際経済研究所・アダムポーゼン所長は、FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長が「長期的なリスクについて触れなかった」と批判したうえで、金融政策が今後、再び利上げ局面を迎える可能性があると警告した。ポーゼン所長は「真の問題は、パウエル議長の演説が、次の1カ月に集中し、ここ数カ月のデータばかり見ていたこと。インフレの上振れリスクはまだまだ多い。長期予想に触れないことで、金融政策が逆転した時の市場のショックは大きい。トランプ前大統領が再選し、移民政策や貿易、金融政策で行動を起こせば、(物価が上昇し)、1年後また利上げを迫られるだろう」と述べた。