- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 平出真有 中原みなみ 山田剛 石黒英之 青木大樹
オープニング映像。
28日のニューヨーク株式市場の株価の終値とセクター別騰落率、為替について伝えた。
アメリカ半導体大手・エヌビディア5−7月期決算が発表され、1年前から2倍以上の増収となり、今後の見通しも市場予想を上回った。5−7月期決算(前年比):売上高300億4000万ドル(2.2倍)、純利益165億9900万ドル(2.7倍)、1株利益(調整後)68セント(予想上回る)。主力のデータセンター向け半導体の売上高は262億7200万ドル(前年比2.5倍)。引き続き旺盛なAI需要が確認されている。8−10月期見通し:売上高325億ドル±2%。市場予想317億6900万ドルを上回ったが、一部の強気な見通しには届かなかった。エヌビディアは500億ドルの自社株買いの方針も明らかにしている。
アメリカ・ニューヨークのスタジオから第一生命(DLI NORTH AMERICA)・松谷拓弥が解説。エヌビディアの決算を受けた市場の反応。5−7月期の売上高は、1年前から2倍以上の増収。8−10月期の売上高見通しは市場予想の平均値を上振れた。ただ市場関係者の中ではより強い予想をしていた人も多かったとみられ、株価は時間外で一時7%を超えて下落。この後の会見で一部報じられている次世代半導体・ブラックウェルの量産遅延の詳細について、フアンCEOがどのような発言をするのか市場は注目。多くの専門家や企業はAI(人工知能)は次の産業革命を引き起こし、生産性の低い企業を淘汰することで経済全体の効率を向上させ、長期的な経済成長を支えると考えている。マサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授は、AIの経済への影響を過大評価すべきでないとし、研究によれば今後10年間のアメリカ経済成長へのAIの寄与率は1%未満と予測。AIへの過剰な投資がバブルを引き起こすリスクやAI市場を巡る競争が、社会の安定を脅かす可能性も指摘。AIによる経済貢献は不透明な部分が多く、楽観論と慎重論が混在。いち早い「実用化」がAI関連企業の今後を見通す重要なポイントになる。
国債・商品・欧州株式・株式先物の値動きを伝えた。
ゲストのUBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント・青木大樹、野村アセットマネジメント・石黒英之を紹介。エヌビディアの5−7月期決算が発表された。1年前から2倍以上の増収。今後の見通しも市場予想を上回った。ただ時間外取引で株価は下げた。石黒英之さんは「数字自体は予想上回り非常にいい決算だったが、ここ最近戻り歩調を強めていただけに一部高い予想をしていた投資家には物足りないところだったのかもしれない。マーケットが8月に調整したことにより、アメリカの半導体のSOX指数は、一時期PERが29倍くらいまで拡大していたが、足元では25倍くらいまで落ちてきている。だいぶ過度な楽観からは調整されている。AI市場は今後9年で世界の売り上げが20倍ほど伸びると言われ、短期的なところでは、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンもAIの設備投資を積み増していく状況なので、投資環境は悪くないのでは」と解説した。
衣料品大手・アバクロンビー&フィッチ5−7月期決算(前年比):売上高11億3397万ドル(↑21.2%)、純利益1億3316万ドル(2.3倍)、1株利益(調整後)2ドル50セント(予想上回る)。2025年1月期通期見通し(前年比):売上高↑12~13%、従来↑10%。事業環境の不透明感が増していると慎重な見方を示したほか、売上高見通しが市場の高い期待に届かず、株価は17%下落。運動靴販売チェーン・フットロッカーは、既存店売上高が6四半期ぶりにプラスに転じた。フットロッカー5−7月期決算(前年比):売上高19億ドル(↑1.9%)、最終赤字1200万ドル(赤字幅拡大)、1株損失(調整後)5セント(予想7セント)。新学期シーズンに向けた需要が堅調。全体の売上高も市場予想を上回ったが、赤字幅は拡大。決算発表後の株価は10.2%下落。
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- アバクロンビー&フィッチフットロッカー
アメリカのサーバー大手・スーパー・マイクロ・コンピューターの株価が28日、19.1%下落。2024年度の年次報告書の提出を延期するとの見通しを示したことが嫌気された。スーパー・マイクロをめぐってはアメリカの投資会社・ヒンデンブルグが、会計操作を行っていると主張し、スーパー・マイクロ株を空売りしていると明らかにしている。
大和証券・多田出健太が電話で解説。ドル/円予想レンジは143.50円から145.00円。注目が集まっていたエヌビディアの決算は予想を上回ったが、材料出尽くし感もあって、本日のドル円は上値の重い展開を予想。注目ポイントは自民党総裁選。派閥の締め付けが弱まったことで12人もの議員が出馬を模索。票読みが難しくなっていると解説。また為替市場の影響では原発再稼働の姿勢にも関心が集まりやすいといい、原発再稼働に伴い燃料輸入の量が調整されるだけでは貿易収支はそれほど改善しないなどと説明をした。その点、トランプ大統領候補が打ち出すエネルギー政策が注目される。本当にエネルギー価格が今の半分まで下がるなら、日本の貿易収支は黒字化する可能性が高い。黒字になると過度な円安の前提がひっくり返り、日本全体にはポジティブな影響のため注目などとトークをした。
10年国債の値を伝えた。
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世界の株価:の値動きを伝えた。
石黒英之さんがスタジオで解説。日経平均予想レンジは3万8000円から3万8500円。エヌビディアの決算説明会の内容次第では上下に動く。最初の決算の反応を見るとエヌビディアは出尽くしで、日本市場も半導体株が重しになるのではなどとトーク。注目ポイントは円高懸念は日本株に逆風か?と説明。ジャクソンホールでFRB・パウエル議長は利下げ姿勢を示し、状況次第では大幅な利下げに対する姿勢を示した。市場では対米国ドルでの円高への懸念は高まっている。円高の負の影響を国内経済の成長で補える環境が整いつつあることを考えると、日本株に対し過度に弱気になる必要はないのでは。物色面では低迷が続いてきたグロース株が、米国の金利低下局面で注目を集めやすい。内需関連株の一角も注目が集まるのではなどときょうの株についてトークをした。
中国・王毅外相はきのう中国・北京を訪問中のアメリカ・サリバン大統領補佐官と前日に続き会談した。ホワイトハウスによると会談では、バイデン大統領と習近平国家主席による電話会談を数週間以内に実施すことについて協議したという。実現すれば、両首脳の電話会談は今年4月以来。バイデン大統領の退任前の協議は最後になる可能性がある。会談では軍高官によるビデオ会談の実施やAIに関する政府間対話の継続で合意した。
北京を訪問中の超党派の日中友好議員連盟はきのう、中国共産党序列3位の趙楽際全人代常務委員長と会談した。議員連盟の会長を務める自民党・二階元幹事長は会談で、中国の軍用機による長崎県の男女群島沖での領空侵犯について再発防止を強く求めた。また二階元幹事長が日本人の短期滞在ビザを免除するように求めたのに対し、趙全人代常務委員長は「日本の各界の要望は尊重して重視している」と述べた。訪中団は中国・王毅外相とも会談した。東京電力・福島第一原発の処理水の放出を巡って王外相は「両国間で良い話し合いができている」としていて、協議を続けていくことで一致した。
来月行われる自民党の総裁選挙をめぐり、自民党・小泉進次郎元環境大臣が、来月6日に記者会見を開き立候補を表明すると明らかにした。当初はあすを予定していたが、台風10号の接近を受けて延期した。一方、林官房長官は来月3日を軸に出馬表明する方向で調整している。
青木さんは米国新規失業保険申請者数に注目しており、「8月頭の雇用統計ショック、急激な悪化後、次の雇用統計9月6日に向けて新規失業保険申請者数は注目される」、「新規失業保険申請者数が、8月平均23.1万人をさらに下げるような結果になるか、来週の雇用統計を占ううえで注目」と話した。石黒さんは8月の第3週主体別売買動向に注目していて、「背景に海外投資家の動向に変化が見られるか探る上では重要。海外勢の先物売りが一巡しているか1つポイントになると思う」などと話した。
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NY株式の終値を伝えた。
松谷拓弥さんに話しを聞く。半導体に関する政策について、ハリス氏とトランプ氏の違いを紹介。AI規制について、民主党政権では規制が厳しくなる可能性があるが共和党政権では開発優先となりより制限の少ない規制を制定するとみられている。台湾問題についてはハリス氏は支援を強調しているが、トランプ氏は防衛費を払うべきなどと発言していて業界に不安を与えている。貿易政策に関してはどちらの政権でも中国への半導体輸出規制が続く可能性が高く、米中貿易戦争が今後も続くとみられている。バイデン政権は国内の半導体生産を強化し技術的競争力を高めることを目的にCHIPS法を設立させたがどちらの政権になっても継続されるとみられているとのこと。また、商務省は先月、CHIPS法に基づき「先端パッケージング技術」への投資計画を発表、最大16億ドルで1件につき約1億5000万ドルがあてられる。回路微細化に物理的限界を感じていて、先端パッケージング技術が今後の技術革新のカギとなり新たな差別化要因として注目されている。これまでは主にアジアに集中していたためアメリカは今回の投資計画で遅れを取り戻したい考え。民間では複数の半導体企業がコンソーシアムを設立し、パッケージングや基板・インターポーザーの製造などで先端技術を開発している。官民の取り組みによりアメリカは半導体の前工程から後工程にいたるまでの包括的な技術競争力を強化し、世界市場での存在感を高めようとしているとのこと。