ロールシャッハ・アドバイザリーのジョセフ・クラフトさんの解説。バイデン大統領が核使用ガイダンスを3月に大幅に改定していたことが発覚。アメリカの核使用指針が戦後初めて根本的かつ大幅に変わった可能性が示唆される。改定のポイントは敵対連携。敵対連携というのはこれまでロシア一国を対抗軸とした核抑止戦略が決められていたが、今回の指針ではロシア、中国そして北朝鮮が連携してアメリカを攻める脅威を挙げている。冷戦時代から核リスクなどが根本的に変わったことを意味する。もうひとつのポイントは中国の核軍拡。ペンタゴンは中国は現在保有している500発の核弾道ミサイルを2030年までに1000発、そして2035年までに1500発まで拡大と予想。バイデン政権を悩ませているのが中国の対話姿勢。米中首脳会談では声明文には核兵器抑制に関する文言が盛り込まれたが、それ以降中国は協議に応じていない。他に直近で懸念しているのが中東。イスラエル国民の多くは停戦を求めている一方国民から高い支持を得ているのがイランの核兵器開発の抑止。ネタニヤフとしては起死回生の戦術としてイランの核施設を狙う口実を模索しているのではないかと言われている。アメリカが中国と北朝鮮を核兵器の脅威国と位置づけていることは日本の安全保障にとっても重要な意味合いを持つ。2024年日米の安全保障関連の動きを紹介。個人投資家は一定程度こういう危機的なリスクが起きた時にどうすべきなのかというシナリオプランニングぐらいは念頭に置いておいた方がいい。