帰国まであと10日。まだ仕事のオファーはない。続いての作戦は「芸能事務所への直談判」。岡村は芸能事務所を訪れて自身を売り込み、契約をお願いした。しかしプロデューサーからの答えは「決められない」だった。かつて「アイドルになりたい」と言いつつ半年で帰ってしまう日本人もいたのだという。ほかの事務所もあたってみたが、アポすら取れなかった。帰国まであと7日。岡村は吉本さんのコネでテレビ番組の収録スタジオ(昼の人気トークバラエティ番組)を訪れた。岡本はノーギャラだが番組に出演させてもらえることになった。岡村が話すタイ語の単語を出演者が当てるというゲームのコーナー。歌えはしなかったが岡村の新たな一面が引き出されてスタジオは盛り上がり、手応えを得ることができた。帰国まであと3日。岡村はマームックのレギュラー番組(タイの文化や歴史を伝える教養番組)にノーギャラで出演させてもらった。自分を売り込む最後のチャンス。岡村は番組の司会をしていたテレビ界の大物(アームさん)の目に止まり、スタジオに来るよう誘われた。帰国まであと2日。岡村はアームさんにアポをとり、スタジオへ向かった。岡村はアームさんに、「何でも頑張るのでお仕事いただけませんか?」とお願いした。アームさんは、「日本人に向けたテレビショッピングみたいな形でウチの商品をPRしてもらう仕事」を提案した。まずは日本人向けの仕事を始めて、タイ語を覚えたらマームックと一緒に仕事をしてほしいとのこと。ついに岡村は仕事のオファーを得ることができた。岡村は今回の企画を通して、ずっと前を向いて諦めなかったらいいことがあると思えたという。崖っぷちからはい上がる糸口を掴んだ。後は岡村の努力次第。