脱炭素の切り札として普及が進むEV(電気自動車)には希少金属のリチウムが使われている。ただ、リチウムは製造時に大量の二酸化炭素を排出してしまうという課題があった。その課題を電子レンジにも使われるある技術で解決した世界初の画期的な方法が公開された。電子レンジはマイクロ波によって食品に含まれる水分を細かく振動させ摩擦熱を生じさせることで、食品全体を加熱する。その仕組みを応用したマイクロ波の発生装置で、家庭用電子レンジおよそ120台分に相当するマイクロ波を発生させた。リチウムを製造するうえで加熱は欠かすことができない工程の一つ。しかし、従来は大型の装置と化石燃料を使うため大量の二酸化炭素を排出してしまう課題があった。マイクロ波を使えば鉱石だけを効率的に加熱でき、再生可能エネルギーと組み合わせればCO2の排出を最大で9割削減できる。この技術を開発したのは、大阪大学発のスタートアップ「マイクロ波化学」。世界で初めてマイクロ波を活用した大規模な化学工場を立ち上げた実績がある。このマイクロ波化学と共同で実証実験に乗り出したのは三井物産。商社として鉱物資源の開発を手がけていてリチウム事業の拡大に大きな期待を寄せている。電気自動車やスマートフォンのバッテリーの製造に欠かせないリチウムの需要は脱炭素の切り札として2040年には2020年のおよそ13倍に増えると見込まれている。
リチウムの主要な産出国はオーストラリアやチリ。しかし、鉱石からリチウムを取り出す製錬の世界シェアは中国が7割を掌握。環境規制の緩さもあり中国に集中しているのが現状だ。日本は輸入の多くを中国に依存していて外交問題などで輸出が制限されるリスクも抱えている。三井物産はマイクロ波を活用した環境に優しいリチウムの製錬技術を海外にも展開し収益の拡大を狙っている。
リチウムの主要な産出国はオーストラリアやチリ。しかし、鉱石からリチウムを取り出す製錬の世界シェアは中国が7割を掌握。環境規制の緩さもあり中国に集中しているのが現状だ。日本は輸入の多くを中国に依存していて外交問題などで輸出が制限されるリスクも抱えている。三井物産はマイクロ波を活用した環境に優しいリチウムの製錬技術を海外にも展開し収益の拡大を狙っている。
