南米ペルーの首都リマで行われたミュージカル。演じているのは俳優ではなく、ペルーで1万人近い囚人を抱えるルリガンチョ刑務所に収監されている受刑者ら35人。出演者のほとんどは強盗や麻薬の密売で有罪判決を受けている。この舞台の題名は刑務所の名前「ルリガンチョ」。強盗を働き、警官を殺害した罪で28年以上の刑を言い渡された受刑者の物語。去年から3つの劇場で公演を行ってきた。演出を手掛けた20年以上刑務所問題に取り組んできた脚本家・ヤシムバハモンデ氏は「犯罪者は地獄の中で“演劇”と言う楽園を見つけた」と語った。劇場には受刑者の家族やペルーの刑務所関係者などが多く訪れ、入場は無料。ミュージカルにはリマで唯一の女性刑務所の合唱団や別の刑務所の楽団も参加。国立刑務所研究所・リャケモヤ所長は「演劇芸術教育のおかげで、刑務所で成し遂げられた大きな成果を目にすることができた。もう二度と犯罪をしないことが目標」と語った。