ルーヴル美術館にはミロのヴィーナス、民衆を導く自由の女神など50万点におよぶコレクションが収蔵されている。今回、番組で調査するのはレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」。肌は深みのある温かな色をし、繊細な影の濃淡だけで神秘的な微笑みが表現されている。絵の下地からは酸化鉛という茶褐色の顔料が検出されたが、ルネサンス当時の絵画には使われなかったとされている。フィリップ・ヴァルテール氏は絵に触れることなく科学調査を行っていて、X線を使った分析で影の表現に茶色、黒の顔料を使っていた。薄い絵の具を十数回も塗り重ね、グラデーションを表現していたという。
美術史家の池上英洋氏はダヴィンチの技法の再現を試みた。乾かしては口元の影を塗る作業を繰り返し、グラデーションを表現。だが、池上氏は「同じ材料を使っているのに肌の濃淡ぐらいしか出せない。ここまで味わいのある自然な肌の質感はなかなかできない」と舌を巻いていた。
美術史家の池上英洋氏はダヴィンチの技法の再現を試みた。乾かしては口元の影を塗る作業を繰り返し、グラデーションを表現。だが、池上氏は「同じ材料を使っているのに肌の濃淡ぐらいしか出せない。ここまで味わいのある自然な肌の質感はなかなかできない」と舌を巻いていた。