ドジャースが4年ぶりにワールドシリーズを制覇。一夜明けたきょうも現地は盛り上がっている。ドジャースの本拠地、米国・ロサンゼルスにある店舗では優勝記念Tシャツがきょうから販売。大谷翔平選手はメジャー7年目でついに悲願の世界一を手にした。会見では妻・真美子さんへの感謝の言葉もあった。
振り返ると今シーズンは大谷選手にとって激動の1年。記録ずくめのシーズンとなった。始まりは去年12月。プロスポーツ選手史上最高額約1015億円の大型契約でドジャースへ移籍。エンゼルスでの6年間はチームの低迷が続き、ポストシーズン進出は一度も叶わなかった。今年2月には真美子さんとの結婚を発表。韓国で行われた開幕戦ではいきなりダルビッシュ有投手とプロ初対決が実現し、移籍後初ヒットを放つと直後に初盗塁を決め、打者に専念した今シーズンは足でも貢献する新たな大谷選手の姿を見せつけた。自身を取り巻く環境が大きく変わったことも影響してか、開幕戦以降は自己ワーストの40打席ノーアーチ。開幕9試合目で移籍後初ホームランを放つと、この1本をきっかけに大谷選手の歴史的シーズンが始まった。メジャー通算175号ホームランを放ち、松井秀喜さんが持つ日本人記録に並ぶと、同じ試合で日米通算1000本安打を達成。衝撃のホームランでメジャー通算176号を達成し、日本人選手のホームラン記録を更新。
大谷選手はグラウンドの外でも注目を集めた。5月に行われた球団イベントでは真美子さんとお揃いのブラックコーデで登場。遠征に来ていない真美子さんについて寂しくないかと聞かれた大谷選手の「（妻に）寂しいと言わせたい」という発言の意図をめぐり、SNSでは考察合戦が巻き起こる事態となった。試合では6月に入っても大谷選手の勢いは止まらず、6月だけでホームラン12本。中でも注目を集めたのは160キロを超える剛速球が武器の怪物ルーキー・ポールスキーンズ投手との対決。怪物ルーキーとの真っ向勝負に大谷選手が勝利。シーズン前半戦終了時、大谷選手はホームラン29本、盗塁23個をマーク。
7月、大谷選手はオールスター恒例のレッドカーペットショーに夫婦で初めて参加。妻・真美子さんを優しくエスコート。4度目の出場となるオールスターゲームの第2打席、オールスター初アーチ。日本人選手初の柵越えホームランを放った。2021年、ピッチャーとして出場し勝利投手になっている大谷選手はオールスターでホームランと勝利投手の両方を記録した唯一の選手になった。シーズン後半には「40−40」の偉業達成は自身初となるサヨナラ満塁ホームラン。劇的アーチで日本人選手初となる40HR40盗塁を達成。48HR49盗塁で迎えたマーリンズ戦。ヒットを放ち塁に出ると盗塁を成功させ、前人未到「50−50」の大記録へあとホームラン2つと迫ると、特大の2ランホームランであと1本。次の打席で2打席連続ホームランで一気に前人未到の夢の「50−50」を達成。その後、自身初となる3打席連続ホームランを放ち、一気に51HR51盗塁を達成。この日、大谷選手は3本のホームランを放つなど6打数6安打10打点と大暴れ。
記録ずくめとなったシーズンで、メジャー7年目にして初めての地区優勝。「50−50」達成後も記録を伸ばし続け、54HR59盗塁でシーズンを終えた。戦いの舞台は自身初のポストシーズンへ。勝つことを最優先しドジャースへ移籍した大谷選手は夢の舞台で悲願の世界一へ向け新たな戦いの幕が開けた。パドレスとの地区シリーズ第1戦で豪快なホームランを放ち、鮮烈なポストシーズンデビュー。メッツとのリーグ優勝決定シリーズでは特大のポストシーズン第2号ホームラン。続く第4戦でも2試合連続となるホームラン。大谷選手の活躍もあり、勢いに乗るドジャースは4年ぶりにリーグ優勝。世界一へ向け、ワールドシリーズ進出を決めた。
メジャー7年目にして掴んだ大谷選手にとって初となるワールドシリーズでは、世界一をかけてヤンキースと対戦。ワールドシリーズ初ヒットはフェンス直撃の大きな当たりだった。第2戦で盗塁の際に左肩を負傷。それでも翌日の試合からけがを抱えながらも強行出場し、第4戦では痛みをこらえながらヒットを放った。きのう、ロサンゼルスドジャースが4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇。大谷選手は移籍1年目で悲願の世界一を手にした。