ロシアがウクライナに軍事侵攻して1000日あまり。侵攻開始以来、日々変わる戦況を伝え続けている地図。作成しているのは米国の民間の研究所。その目的や意図はどこにあるのか。今回、研究所のトップにNHKが単独インタビューをした。米国・ワシントンにある戦争研究所の所長を務めるキンバリーケーガンさん。戦争研究所にはおよそ50人のスタッフが所属し、ウクライナや中東などの紛争の分析に当たっている。ケーガンさんは過去に米国のアフガニスタン侵攻やイラク戦争で政権の戦略アドバイザーを担当。戦争研究所の存在がより広く知られるようになったのはウクライナの戦況を示した地図。地図がプロパガンダなどに利用されないよう、さまざまなオープンソースを使って客観的に作成しているという。メディアやSNSなどでも大きな反響を呼んだ地図だが、予想外の反応もあった。ケーガンさん「私たちの活動はロシア国営メディアで取り上げられ、クレムリン内でも物議をかもしたようだ」。今のウクライナの戦況についてケーガンさんは、ロシアが多くの死傷者が出ることをいとわずに攻勢に出ていると指摘する。一方、北朝鮮兵士1万1000人がウクライナとの戦闘に加わったとされることについては、戦況に影響を与える以上に、日本や東アジアにとって新たな脅威を生む可能性があると警鐘を鳴らす。ケーガンさんは、トランプ次期大統領の政策がどうであれ、日本をはじめ、世界はウクライナへの支援を続ける必要があると強調する。