量子暗号通信の開発が世界的に加速している。背景には量子コンピューターの登場でインターネットなどで使われる今の暗号が解読されるリスクが指摘されていることがある。量子暗号通信は暗号の解読に必要な暗号鍵の情報を光の粒子=光子に載せ伝送し相手と共有する。第3者がアクセスすると検知できる仕組みで理論上解読が不可能とされている。東芝は去年7月からイギリスの金融機関などと実証実験をしていて事業の海外展開を目指している。NECは量子暗号通信を行うための機器を企業向けなどに開発し今月から提供を始める。病院の電子カルテや金融取引のデータなどでの実用化を想定している。