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「ロンドン(イギリス9」 のテレビ露出情報

ことしに入って歴史的な円安局面が続いている。ことし4月から先週までのドルに対する円の動きをまとめたもの。4月から5月の大型連休中、8円以上急速に円高に動いた。このころ、政府日銀による9兆円規模の市場介入が行われたことが分かっている。先週も4円以上、円高方向に動きた。政府日銀がドルを売って円を買う市場介入にこちらでも踏み切ったと見られている。こうした市場介入を含めた為替政策の指揮を執っているのが財務省の神田眞人財務官。3年の任期を終えて今月いっぱいでの退任が迫っているが、いまだその一挙手一投足に市場の注目が集まっている。今回、取材班は神田財務官に密着した。見えてきたのは日本の通貨円や日本経済の存在感の変化だった。
午前8時前、財務省にいち早く登庁することを日課としている神田財務官。国際金融部門のトップとして市場介入などの為替政策だけでなく各国と協調して国際的な金融のルール作りなどに当たっている。自席の目の前のボードには世界中のマーケットの情報が。市場で過度な変化が起きていないか。日々動向に目を光らせている。今月11日、日本時間の午後10時ごろ、円相場に大きな動きが。一時4円以上、急激に円高方向にふれた。米国の統計の発表を受け、市場が円高方向に振れたタイミングを見計らって市場介入に踏み切ったと見られている。しかし介入の有無についてはノーコメントを貫いた。市場との激しい攻防。その裏で重視しているのは各国の当局との緊密な連携。この日、ひそかにオンライン会議を行っていたのは米国財務省の為替政策の責任者。会議では、円やドルの為替についても議題に上がり、予定を30分以上延長して議論が交わされた。市場介入の指揮を執る一方、月に何度も海外に足を運び、各国の要人と世界の経済政策や金融情勢などの意見交換に当たっている。
今月上旬訪れたロンドンでは、金融機関の幹部や政府高官などと次々と面会した。一連のやり取りを通じて世界の中での日本の存在感の変化を感じ取っていた。日本経済の中長期的な改革にどう取り組むのか。神田財務官は日本の著名なエコノミストらを集め、その課題を分析してきた。3か月に及ぶ議論を経て公表された報告書では、日本が投資先としての魅力を失っている実態が指摘された。そこで挙げられたのが日本企業が海外で得られた収益の多くを日本国内に戻していないという現状。収益をそのまま海外で再投資するケースが急増し、その額はここ3年は年間10兆円を超えるまでになっている。日本の設備投資や技術革新を遅らせることになったと指摘。生産性の向上や財政健全化など長年積み残されてきた課題に向き合う必要があると提言された。今月いっぱいで退任する神田財務官。円の価値を守っていくためにも今こそ改革に着手すべきだと強調する。円安は日本の国力を反映している、そういう面もあるということ。今の円安は日米の金利差が大きく影響しているといわれるが、中長期的には日本の経済力の低下を反映しているとも指摘されている。神田財務官も有識者会議で政府が課題を積み残したことに対してメンバーからは厳しい意見が出たと話していた。こうした指摘を受け止めて構造的な課題の改革に取り組むことができるのかが今こそ問われているのではないだろうか。

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