メローニ首相は各国との交渉が行われる中、異例の厚遇を受けた。トランプ大統領とメローニ首相との首脳会談は先月17日にホワイトハウスで行われた。バンス副大統領やベッセント財務長官も同席した。会談後にはランチも用意されるなど手厚いもてなしを受けたという。また、会談の席でトランプ大統領はメローニ首相について「誰もが彼女を愛し尊敬している、こう言える人は多くない」などと持ち上げたという。トランプ大統領と良好な関係を保っているメローニ首相は会談では重要なミッションを抱えていたという。アメリカはEUに20%の相互関税を打ち出したが現在は上乗せ分の10%を停止している状態。交渉の主体はEUで交渉によるトランプ関税の解決を表明しているが、ロイター通信によるとEUのフォンデアライエン委員長は今のところトランプ氏と会談する機会すら与えられておらず、他者に頼らざるを得ない状態。こうした中、米伊の会談が行われた。トランプ大統領はEUとの交渉について、100%成立すると述べ、相互関税の停止期間で合意できると強調していた。その上でメローニ首相はトランプ大統領をローマに招待することで合意し、欧州の指導者と会う機会になるとEUとの橋渡し実現に自信を見せているという。メローニ氏は会談で同じ思想を持っていることをアピール。また、同じ敵とたたかう味方であると訴え、NATO各国の国防費引き上げについて、イタリアは以前決めた目標に近づいていると主張し、自ら英語で説明したという。EUに批判的だったトランプ氏だが、欧州がうまくやっていくことを臨んでいるなどと発言。ニューヨーク・タイムズは先月18日、メローニ首相はヨーロッパとアメリカをつなぐパイプ役としての立場を強固にしたと報じた。メローニ氏の交渉術について日本が参考にできることとして言質を取りに行かないことなどと国末氏は指摘。