160万を超える避難民が暮らすウクライナ。政府も手厚い支援で避難民に一時金を支給、社会保障などの医療サービスも開放。軍事面でも欧米に先駆けて支援強化の流れを作ってきた。今回の総選挙では対ウクライナ強硬派の民族主義的な右派野党「同盟」が台頭。避難民への支援は税金の無駄遣いと主張。支持率は10%前後。与党「法と正義」のモラウィエツキ首相は先月、ウクライナへの武器支援を打ち切ると発言するなど、ウクライナに強硬的な姿勢を強めている。こうした動きが、選挙を見据えて右派支持層を取り込むための戦略だとする見方をする専門家も。黒海から輸出できなくなりウクライナから穀物が大量に流入したことで、支持層だった地方農家の票も離散。野党連合も受け皿となる候補者を擁立。世論調査2位の野党連合「市民連立」は首都で大集会を行うなど勢いが見られる。現状、与党は野党をややリードも、どちらが勝っても過半数獲得は困難な情勢。注目は連立を組むかどうかで、結果次第ではウクライナとの関係が軋む恐れも。ウクライナ避難民への公的支援の是非については反対意見も多いポーランド国民。反露感情でウクライナ支援に肯定的な意見が一定数有るとの見方も。