国の天然記念物に指定されている佐賀県唐津市の七ツ釜。規則正しく並んだ柱のような構造が海の中まで続いていて、ダイビングスポットにもなっている。かつては岩肌が見えないほど海藻に覆われていたが、激変したと40年近く潜ってきたダイバーは話す。唐津マリンスポーツクラブ・浪口志郎さんは「最近は海藻も私が見た感じからすると10分の1ぐらいしかない」とコメント。ここ10年ほどで海藻は激減。一方、柱状の地形がはっきり見えるようになりダイバーを楽しませている。さらにJNNは20年にわたり九州北部玄界灘の水中を取材。熱帯魚の一種クマノミが姿を見せるようになり、やがて越冬し世代交代していく様子を撮影してきた。海の変化について浪口さんは「今まであまり見られなかったアラがたくさん見られたりしている」とコメント。玄界灘でダイバーが目にする機会が増えているのが幻の高級魚とも呼ばれるクエ。九州北部での水揚げは佐賀でここ数年横ばいになっているものの全体的に増加している。専門家は、温暖化でクエの仲間にとって生存に望ましい環境になっていると指摘。水産研究教育機構・奥山隼一さんは「熱帯域にすんでいた魚種が近年九州近辺あるいは本州の方で増加している」とコメント。福岡の魚市場でもクエやその仲間のハタ類の水揚げが年々増えている。玄界灘を含む東シナ海北部の海面水温はこの100年で年平均1.31度上昇。日本近海の平均を上回る水温の上昇によって、漁業、そして海とのつきあい方は大きく変わっている。