巨大な建物を生かして、物流施設を地域住民の避難場所に活用する動きが広がっている。先月、東京・板橋区に完成した物流施設は、大雨で川が氾濫した際におよそ1000人が施設の中に逃げ込めることになっている。近くの川が氾濫した場合、周辺地域は最大で9メートルの浸水が想定されている。施設の2階部分は住民1000人が2週間過ごせる食料や水などが備蓄されていて、各地から寄せられる支援物資の配送拠点としても活用される。建設した三井不動産・篠塚寛之執行役員は「単なる物流施設ではなくて地域にも貢献する施設ということで、共栄共存していくことが大事だと思っている」と述べた。千葉県流山市にある物流施設は、近くの川が氾濫した場合、地域住民が車に乗ったまま上層階に避難でき、最大125台を受け入れることができる。建設した大和ハウス工業は、各地でこうした取り組みを行い、実際に避難者を受け入れたケースもあるということで、防災拠点として地域住民との共存を図る動きが広がりそう。