新紙幣だが、サイズは変わらない。これまでと同じように金額が大きくなるほど横幅が大きくなっている。そして枚数についてなのだが、日銀は先月末の時点で一万円札を29億枚、五千円札を3億枚、そして千円札を20億枚の合わせて52億枚準備している。どうすれば新紙幣は手に入るのだろうか。このあと午前8時以降に日銀から各金融機関に引き渡されて順次、窓口やATMで取り扱いが始まる見通し。ただ、少し注意いただきたいのが初日のきょうは多くの金融機関がこの新紙幣の取り扱いを一部の店舗に限定するという見通し。大手3行では、あす以降に順次取り扱う店舗を広げるほか、ATMへの充填も進めるということだ。手に入れた新しい紙幣だが、ATMとか自動販売機、券売機とか、どの程度使えるのか。対応状況が業界によってばらつきがある。財務省が5月に行ったメーカーの業界団体への聞き取り調査によると、新紙幣の発行の開始までに金融機関のATM、大手コンビニ、スーパーのレジや多くは更新作業完了する見通し。一方でコインパーキングなどの自動精算機、飲食店の券売機は5割程度。そして飲料の自動販売機は2割から3割ほどにとどまると見られるということだ。そして公共交通機関。鉄道の券売機の多くは更新が進んでいるが、路線バスの料金箱などでは6割から7割程度。納入の遅れ、更新費用の負担から対応が間に合わないケースも相次いでいるということ。当面は新しい紙幣が使えないということも念頭にこれまでの紙幣も持って出かけるというような準備も必要。キャッシュレス化が進む中での新紙幣の発行について専門家、ニッセイ基礎研究所・上野剛志上席エコノミストのコメント。新紙幣が発行されてもこれまでの紙幣は使える。ただ、今、注意が必要なことがある。それが新紙幣の発行に便乗する詐欺。警視庁によると、都内ではこれまでに80代と90代の4人が合わせておよそ1500万円をだまし取られた。いずれも金融機関の職員を装う手口。警察が注意を呼びかけている。