部屋の中央には、不穏な黒い塊の群れが。産業廃棄物のようなキューブが16個ある。火山灰やくず鉄などをFRPで固めて作ったもの。重そうに見えるが中は空洞。朽ち果てていくものの最終形態なのか、三島喜美代は、人間社会が生み出しながら隠されていくゴミという存在を膨大なエネルギーと情熱を傾け作り続けた。奥へと進めば新聞が積み重なったNewspaper 08という作品が。これらは本文ではなく、新聞紙の束をポリエステルで成形し、生地の一つ一つを転写して作った。世界中で生まれる膨大なニュース。それが、またたくまに捨てられていくという情報の墓場のような光景。壮大なスケールと、ユーモラスなアートを作り上げた三島喜美代。どんな人だったのか?