神奈川県三浦市の京急線・三崎口駅はマグロ観光の玄関口。車で約5分にある昭和43年創業のまるい食堂。観光を兼ねて遠方からも来店。約50席の店内は明るく開放的な空間で落ち着く雰囲気。営むのは三浦市出身の猪熊さん夫婦。2代目・猪熊一也さんは10代の頃、バイクに青春をかけていたが、近くには料理人の厳しい父がいた。メニューは約50種類。一番人気は約1キロある「カタヤキそば」。具材は豚肉と白菜、ニラなど地元野菜が中心。約15年前に考案。研究を重ね辿り着いたのは生麺。蒸したり茹でたりせずにそのまま揚げていて、麺に餡が良く絡むという。人気の料理は他に「かつ丼」「野菜みそラーメン」「アジフライ定食」などがある。妻・智恵さんは調理をサポート。21歳で結婚し店に入った。今や厨房の司令塔。接客の指示をした後、かつ丼を片手に電話対応も。パートタイマーが夫婦を支える。店が忙しくなっても一也さんは地元の常連客に出前を続けている。父から食堂を受け継ぎ25年。初めは悩んだこともあった。店の看板メニューになった「カタヤキそば」は重さ約3キロもあるジャンボサイズがある。名産の三崎マグロを使った「ソースマグロかつ丼」も一也さんの発想で生まれた。親子2代で56年、夫婦の力で店をもり立てている。
住所: 神奈川県三浦市初声町下宮田495