北五百川の棚田を継承する佐野誠五さんは80歳まで農業を続けようと考えていたが、今年で耕作をやめる決意を固めた。棚田は急斜面にあるため歳を重ねるごとに作業が困難になってきたという。また、大きな機械が入れづらく手作業も多い。面積も限られ手をかけてもそれに見合う収入は得られていない。近年はサルやイノシシに田を荒らされ、収穫前に稲穂を食べられる被害が続出。佐野さんは「一生懸命やったところで動物に食べられたんじゃやっている張り合いがない」と語った。国土の約75%を山が占める日本では農家の知恵や苦労で各地に棚田がつくられた。1970年代の減反政策を境に棚田は減少し、過疎化や高齢化が拍車をかけた。毎日新聞によると、「日本の棚田百選」の全国107市町村を調査したところ、約4割で面積が減少。これまで棚田を守り続けた佐野さんは「親から引き継いで50年間やったから、そろそろ親も許してくれるんじゃないかな」と語った。
