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「三浦有史主席研究員」 のテレビ露出情報

アメリカのトランプ政権の追加関税で改めて先行きが注目される中国経済について。経済成長率、日本の2025年度の見通しは物価の変動を除いた実質で1.2%程度。これに対して中国は景気が減速する中でもことしの目標を去年と同じ水準の5%前後に設定した。しかし、足元ではこれまでの経済成長の担い手が苦境に立たされている。それが農村部出身の出稼ぎ労働者「農民工」。農民工は1978年にトウ小平のもとで始まった改革開放を受けて都市に流入。世界の工場とも呼ばれた中国の製造現場を支えてきた。しかし今、経済の減速によるしわ寄せを受けている。一人っ子政策の影響などで少子高齢化が進み中国では2010年ごろをピークに15歳から64歳までの生産年齢人口が減少。それに伴うように経済成長率も伸び悩んでいる。不動産不況や製造現場のコスト削減などにさらされ農民工の雇用環境は厳しさを増している。60歳の農民工は故郷に残した妻と息子を養うため、月の家賃がおよそ7000円の部屋にほかの農民工と3人で寝泊まりしている。貯蓄もなく働き続けないと暮らしていけない。しかし60歳と高齢なため条件に合う仕事はなかなか見つからないのが現状。農民工の中にはいくら働いても暮らしぶりが良くならず将来を悲観する人も出ている。36歳の農民工は14歳から農民工として働いてきたが早朝から深夜まで働いても月収が10万円に届くことはほとんどなかった。いつしか結婚して家庭を持つという夢も諦め働く意欲はなくなった。若者の間で広がっている欲を持たず頑張らない「タイピン」、いわゆる“寝そべり”の生活を続けている。経済の減速に伴い雇用情勢が悪化する中、懸念されるのが社会不安の広がり。中国では市民が無差別に襲われる事件が相次いでいて背景に経済的な苦境や社会への不満があると指摘されている。中国の労働問題に詳しい専門家、フリードリヒシラー大学イェーナ・許輝氏は「不安定な心理状態は極端なケースを招く。去年から発生していることからもわかる。不穏な雰囲気の高まりを感じる」と話す。中国では今厳しい経済の先行きを「未富先老」ということばで表している。豊かさが十分に行き渡らないまま社会の高齢化が進み経済が衰退してしまうという意味。そのしわ寄せを受けているのが都市と農村の格差に直面しセーフティーネットからも取り残されている農民工の人々。今後について中国経済に詳しい日本総合研究所・調査部の三浦有史主席研究員は「トランプ政権の関税政策によって今後も輸出などに影響を及ぼすことから農民工の置かれる状況は厳しい」と話している。

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