三重津海軍所跡は、幕末に佐賀藩が今の佐賀市に西洋の近代技術を導入して設けた海軍施設の跡で、明治日本の産業革命遺産の構成資産のひとつとして、2015年に世界遺産に登録され、ことしで10年を迎える。これを記念したシンポジウムがきのう、佐賀市にある佐賀城本丸歴史館で開かれ、約270人が参加した。史跡の持つ価値などについて、文化財の専門家などによるパネルディスカッションが行われ、登壇した佐賀東高校の生徒が三重津海軍所跡をテーマに演劇を行ったことを紹介したうえで、史跡に関わった当時の人たちの思いを自分たちが伝えていきたいと話していた。専門家は、世界遺産として残り続けるためにも、史跡の価値を地域の人々や若い人たちの力で伝えることが大切だなどと訴えていた。