去年、川の氾濫や土砂崩れが起きた、輪島市上大沢町。震災前は21世帯が暮らしていたが、現在も住民は1人も戻れていない。区長を務める、弥郡嘉信さんは今は10キロ余り離れた仮設住宅で暮らしているが、2~3日置きに訪れて集落の様子を見たり、畑仕事をしたりしている。弥郡さんの自宅は豪雨による被害は免れ5月には電気も通った。しかし、今も断水が続いており、この家で暮らすことはできない。集落では、井戸水をこの施設で浄化し、各世帯で使用していた。しかし川の氾濫で1メートルほどの高さまで浸水し、使えなくなった。修理をするためには電気が必要だが、集落に入る道路が土砂崩れの被害を受けたこともあり、復旧に時間がかかった。電気が通ったあと、6月にようやく修理に取りかかることができ、来月、試験運転を始める見込みだ。さらに、再びこの集落で暮らすために、修復が欠かせないものがある。それが間垣と呼ばれる竹垣。特に冬には強烈な海風が吹きつけるこの一帯では、住民たちが力を合わせて間垣を作り、家屋を守ってきた。しかし、合わせて500メートル余りあった間垣は、川の氾濫で半分ほどが流されるなど被害を受けた。長い間、間垣は住民どうしが協力して維持してきたが、今は皆、集落を離れているため、修復に着手できていない。今月、集落にかつての住民たちが集まり、対応を話し合った。その中で、まず仮設の囲いを作り、そのあと時間をかけて間垣を再生する案などが出された。今後、修復の具体的な方法を決め、まず一部で作業を始める方針だ。
