北海道・上富良野町の「フラワーランドかみふらの」は広大な花畑にラベンダーやサルビア、マリーゴールドなど45万株の花々が名物の観光農園。農園は6人の社員と20人のパートと共に伊藤仁敏社長が運営している。伊藤社長の本業はジャガイモなどを育てる農家だが、27歳の頃に父が農地の一部を利用して観光農園をオープンさせたことで経営者としての人生をスタートさせることに。最盛期には44万人の観光客が訪れるなど大繁盛したフラワーランドだが、観光地の多様化や団体客の減少、コロナ禍で1億円以上もの負債を抱える事態となっていた。昨年12月、伊藤社長はフラワーランドの売却を考えて不動産会社・日本信達の石井さんと商談を行った。経営不振と後継者がいないことから伊藤社長は以前から売却を考えていたものの、日本では手を挙げる会社がほとんどいない。石井さんは自社でフラワーランドを買収しようと考えたが、年々厳しくなる観光事業という大きな問題に直面していた。