不動産投資信託の相場回復が世界的に鈍くなっている。FRBなどは近い将来の利下げ転換姿勢を示すが、インフレ再加速懸念がくすぶる。米長期金利は4%台に再び乗せて推移する。アメリカやヨーロッパの商業用不動産市場の不透明感が拭えないことも重荷だ。特にオフィス向けなどは資産価値に比べ大幅に割り引かれた状態が続く。QUICK・ファクトセットによると、世界のREIT568銘柄の時価総額の合計は3月27時点で去年の年末に比べ3.3%減った。ファクトセットが集計するREITを除く世界の株式の時価総額の合計は5.1%増え2年ぶりの高水準。REIT出遅れの背景にあるのは金利高止まりへの懸念で急ピッチな利下げ折り込み予想が巻き戻された。(日経電子版)