2024年3月19日放送 13:00 - 13:30 NHK総合

ニュース

出演者
池田伸子 
(ニュース)
速報 日銀 マイナス金利政策 解除決定

日銀は今日までの2日間に開いた金融政策決定会合で、2016年1月の導入決定以来大規模な金融緩和策の柱となってきたマイナス金利政策を解除し、金利を引き上げることを決めた。日銀による利上げは2007年2月以来である。大規模な金融緩和策の変更は賛成多数で決定した。日銀当座預金に適用する金利を0.1%とすることで、無担保コールレートを約0~0.1%に推移するよう促すとしている。2016年9月に導入し短期金利に加え長期金利を低く抑え込んできた長期金利操作、長短金利操作、イールドカーブ・コントロールの枠組みを終了し、これまでと同じ程度の国債の買入は継続し、長期金利が上昇する場合は機動的に国債の買入額を増額したり、指定した利回りで国債を無制限に買入れる指値オペと呼ばれる措置を実施したりするとしている。金融市場に大量の資金を供給する目的で行ってきたETFとREITの新規購入も終了する。政策変更の理由について日銀は「賃金上昇を伴う2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になった」としており、マイナス金利を解除しても追加の利上げは急がず当面は緩和的な環境を続ける方針である。日銀は午後3時半から植田総裁が記者会見し、決定内容や理由について説明することにしている。

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中継 東京証券取引所

日銀は先ほどマイナス金利政策解除を発表したが、市場は荒い値動きとなっている。東京株式市場日経平均株価の午前の終値は、昨日と比べ140円余の値下がりとなった。午後の取引は午後0時半から始まり、日銀の発表後値上がりしたがその後値下がり、現在3万9600円台で取引され、昨日より約50円値下がりとなっている。植田総裁がこの後午後3時半からの記者会見で、決定の内容や今後の金融政策の方向性を説明するとみられる。

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日銀「マイナス金利政策」解除 政府関係者は

政府関係者の1人はNHKの取材に「大きな転換点であるが今後の状況を注視していく必要があり、日銀には適切な金融政策運営を期待する。賃上げの状況も上々なので政府としても引き続き努力していきたい」と述べた。別の政府関係者の1人は「政策変更に向け日銀が丁寧に市場と対話を重ねてきたと感じており、大きな混乱は生じないのではないか。さらなる賃上げ実現などデフレ経済からの完全脱却へと、引き続き政府日銀で連携していきたい」と述べた。

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日本銀行
速報 日銀 マイナス金利政策 解除決定 約17年ぶりの利上げ

先ほど発表された日銀の金融政策の変更点について。解除したマイナス金利政策について、2016年に導入され日銀が金融機関から預かる当座預金の一部にマイナス0.1%の金利をつけるため預金が積み上がると損をする環境を生み出すことで、金融機関が世の中に金を回すことを促す狙いがあった。マイナス金利政策を解除した上で政策金利を金融機関同士が短期市場で金を貸し借りする際の代表的な指標と言われているが、無担保コール、翌日後の金利として約0~0.1%になるよう促すとしている。日銀による利上げは2007年2月以来となる。終了予定のイールドカーブ・コントロールは短期金利に加え長期金利を約0%にすることで長期含め金利全体を低く抑え込むために必要な国債を買い入れることで金融緩和の効果を狙った政策だった。長期金利が上昇する場合は、機動的に国債の買入を行うとしている。終了予定のETF、REITの新規の買入について、ETFの買入について日銀は企業や投資家のリスクを取る活動を後押し株式市場の活性化を促すことが狙いと説明しているが、株価急落の際に発動して株価を支える作用も指摘されており、市場では禁じ手などと呼ばれてきた。日銀は公表文の中で「現時点の経済物価見通しを前提にすれば、当面緩和的な金融環境が継続すると考えている」と説明しており、当面は緩和的な環境を続けることを示唆している。

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25年前に日銀が導入したゼロ金利政策は当時先進国では例のない政策で、翌年には日銀は政府の反対を押し切り解除した。ITバブルが崩壊し景気が悪化し、市場に巨額の資金を供給する量的緩和政策に踏み切った。景気の回復に伴い量的緩和政策とゼロ金利政策を立て続けに解除し金利の引き上げにも踏み切るが、2008年のリーマンショックで白川総裁は15回の金融緩和を行ったが、デフレ脱却は実現しなかった。就任した黒田総裁は2%の物価目標を掲げ、黒田バズーカとも呼ばれた大規模な金融緩和策を打ち出した。マイナス金利政策や長期金利を抑える枠組みも導入したが、物価目標は実現できず大規模な金融緩和が長期化することになった。物価はその後2021年に上昇に転じ2%の上昇率を上回って推移し、今年の春闘では賃上げの動きも広がった。

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日本はバブル崩壊後長らく経済が停滞しデフレに陥ったが、今回の日銀の政策転換はこの流れが変わったというメッセージを示した形だとした。デフレにより企業が投資を抑制してしまい成長に繋がらないような形の経済が出来上がり、人々にデフレマインドを定着させてしまい経済が回らなくなったという。今回は他の国のインフレショックのおかげで日本では物価上昇が徐々に広がっていったという。賃金が上がれば物価上昇につながる好循環が起きることを日銀は目指しており、今回賃金上昇を確認できたためステップ2までいった。いい形でものの値段を上げられるような形になれば、翌年も賃金を上げて経済が拡大する形になっていくという。

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日本銀行総務省

東京江東区のりそなホールディングスのディーリングルームから中継。昨年4月に植田総裁が就任され、様々な伏線を張り巡らし17年ぶりの利上げとして回収したという。日本では今後金利とインフレのある世界になるとみられ、預金の金利や貸出の金利、ローンの金利にも影響が出る可能性がある。金利の構造が変わるため、投資のスタイルも変わっていくとみられる。適度な金利やインフレは日本経済にとっても活性化することだとした。

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発表後、日経平均は値上がりしている。声明文では緩やかな金利の引き上げということになっているが、総裁の会見でのニュアンス次第で神経質な動きがあり得るという。マイナス金利解除始め政策が転換されたことで、多くの金融機関は普通預金の0.001%の金利が引き上げる動きが広がるとみられる。住宅ローンは固定型と変動型があり、利用者の7割以上が変動型で、政策金利が引き上げられたことで金融機関は変動型の住宅ローンの金利を引き上げるかどうか判断していくことになるとみられ、企業が新たな事業を始めるなどする際の借り入れ金の利払い負担が増えることにもつながる。今後の金融政策の舵取りについて、日銀は今後も市場に徐々に織り込ませ過度な変動を短期的に与えるようなことを避ける政策を取っていくとみられる。3時半からは日銀総裁の記者会見が予定されており、今回転換した理由や賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定目標達成を見通せたと判断した理由、今後の金融政策の方向性などについて注目されるという。日銀は今日までに開いた金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、金利を引き上げることを決めた。日銀による利上げは約17年ぶりである。

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“核兵器ない世界へ”上川外相 国連と協力で一致

アメリカ・ニューヨークを訪れた上川外務大臣は核軍縮不拡散をテーマにした国連安全保障理事会の閣僚級会合に出席した後、日本時間の今朝早くに国連のグテーレス事務総長と会談し、グテーレス事務総長は日本が核軍縮の問題をテーマに会合を主催したことを評価する考えを伝え、両氏は核兵器のない世界の実現に向け協力して取り組むことで一致した。上川大臣はCTBTの発効へ準備を進める国際機関のフロイド事務局長と会談し、条約の早期発効へ緊密に協力していくことで一致した。

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