1991年世界選手権東京大会。国立競技場で日の丸を胸に世界へ挑んだのは早稲田大学OB池田克美さん。高校2年生で全国高校駅伝1区区間賞。いくつかの大学から声はかかったが、心は決まっていた。その夢は1年目から現実に。箱根駅伝で憧れのえんじに袖を通した。任されたのは1区。しかし、わずか3kmで異変。最下位に下がりながらも冷静に前を追った。気が付けば先頭集団。さらには圧巻のスパートで区間賞を獲得。最下位から先頭に駆け上がり、衝撃の箱根デビューを飾った。その後、早稲田のエースに成長。チームを引っ張り、3年、4年と花の2区を走った。その自信が世界への扉を開く。大学を卒業して1年と半年後、世界選手権に出場。満足のいく結果ではなかったが、トラックからの景色は今も鮮明に残る。