今年1月の両国国技館。土俵に土をどんどんどんどん盛っていってまずは手足で押し固めていく。大阪、名古屋、福岡でも作り方は基本的に同じなのだが両国にだけは土台がある。全6場所で使われている土は埼玉県川越市の荒川沿いで採られた粘土質の土その名も本荒木田。武隈大阪では土台も作るため35トンが陸路で運ばれる。機械は一切使わずに全て人力で行う土俵作り。「たこ」と呼ばれる道具で側面を突いて今度は長い棒で一斉にたたいている。その後は土俵の上に1列に並んで足で踏み、踏み、踏み。人の体重で優しく踏み固めていく。土俵は専門の業者さんではなく、呼出という、取組の時に力士を呼び出したり懸賞幕を持って回る人たち総勢45人が土俵を作っている。続いて「たたき」という道具でたたいて頑丈に固めていく。土俵作りと並行してこちらでは俵作りの真っ最中。そして俵を作るうえで欠かせないのがビール瓶。強弱をつけてたたきながら俵の形を作っている。縄をコンパスのように使って円を描き、スコップやくわで土を削り溝を掘っていく。丸い土俵に合うように少し曲げておいた俵を置く。これも同じ高さになっているのか測りながら俵の外側から内側に押しつけるように土を入れていくが、ここでも手元、見ているとビール瓶が活躍している。仕上げは表面を「こて」で磨く。人の力だけで3日間かけてようやく出来上がる。
住所: 東京都墨田区横網1-3-28
URL: http://www.kokugikan.co.jp/
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