石川・珠洲市の長橋町は揚げ浜式の製塩で知られているが、ここも能登半島地震で被害を受けてしまった。揚げ浜式製塩は組み上げた海水を人口の砂浜にまき、塩の結晶を集めて更に海水を注いで濃い海水を包めて釜で炊くことでミネラル分豊かな天然の塩を作る手法となっている。中巳出理代表は仕事で珠洲を訪れたことがきっかけで代表となったが、地震のために熟練の職人が命を失うなど厳しい状況に立たされている。さらに、海水を汲み上げた海岸が隆起し、砂を固めたことで水がしみ込みにくく不純物も混ざらなくなる人口の砂浜・塗浜も日々が割れるなどしてしまった。まず着手したのも塗り浜の再生で、ここを重機で修復していった。地震から4か月が経つ中、今年も塩作りが始まると、塗浜の表面にはきれいな塩の結晶が姿を見せた。後を引き継いだ浜士の水上憲雅さんはこれから回数を重ねていくと塗浜も固まっていくと話すとともに、それをやり続ける価値があると思ったから先人たちがやってきたと伝統への思いを述べている。