与党・民進党の頼清徳氏の勝利で幕を閉じた4年ぶりの台湾総統選挙。選挙結果をうけ台湾メディアは、3期連続政権誕生を大きく伝えた。台湾の自由時報は見出しで“中国による選挙介入は失敗した民進党が「8年の呪縛」を壊した”と強調。これまで2大政党が2期8年ごとに政権交代してきたことを踏まえ民進党勝利を肯定的に伝えた。中国政府から独立分子とみなされている民進党の頼氏は中国に対し“対抗ではなく対話によって平和共存を実現させなければならない”と強調。一方、中国側は“祖国統一を成し遂げるという立場は一貫している”など、早くも頼氏を牽制した。さらにエジプト訪問中の王毅外相は総統選の結果について問われると、“選挙結果により1つの中国の原則を変えることはできない、台湾独立を企てるものは歴史と法律に厳しく罰せられる”などと発言。選挙以降、中国のSNSでも“中国は一つしかない”というコメントが多く書き込まれている。一方、アメリカのニューヨーク・タイムズは、頼氏の任期中に中国軍が台湾に対し攻撃能力を高めるという専門家などの警告を紹介し、その上で中国政府が台湾への圧力を強めアメリカ政府との緊張が高まる可能性があると指摘している。