NATO首脳会議とその後ドイツを訪問した岸田総理は、一連の外交日程を終えきょう夕方帰国の途につく。一連の会談で岸田総理が必ず言及していた「東アジア情勢」。主に北朝鮮や中国の動向を指しているが、2つの国が共通して関係を深めているのがロシア。日本としては「東アジア情勢の悪化がヨーロッパにも影響を及ぼす」と訴えることで危機感を醸成させたかったものとみられ、ある政府関係者は「ロシアと中国、北朝鮮の結びつきを強調することが『隠れた大きなアジェンダ(実現すべき議題)』だった」と話す。その結果、日本とNATOの間で機密情報を共有することや、年内にヨーロッパで共同訓練を行うため調整を進めるなど具体的なメニューを打ち出すことに成功した。ただ外遊中には防衛省で特定秘密の漏えいによる処分が行われるなど、安全保障上の懸念が明るみになっている。