50歳を過ぎたら急増する帯状疱疹。日本人の3人に1人が発症するといわれているが、ある理由で若い世代にも増えている。帯状疱疹は、多くの人が子供のころにかかった水ぼうそうと同じウイルスで、成人の90%以上の体内に潜んでいるといわれている。普段は潜んでいるウイルスが、疲労やストレス、加齢などで免疫力が落ちた時に活性化し、痛みを伴う赤い発疹が生じる。東京都中央区にある東京八丁堀皮膚科・形成外科では、1日10人近くが帯状疱疹で受診。年度末の忙しさも大きな要因となっているよう。高齢であるほど重症化しやすいため、この4月から65歳を対象に定期接種が始まっている。20代〜40代までの世代に増加傾向の理由について。帯状疱疹の大規模調査を行った外山皮膚科・外山望医師によると、2014年から始まった子供への水ぼうそうワクチンの定期接種にある。それまでは、子どもが水ぼうそうにかかることにより家庭内で大人もウイルスを体内に取り込み、見えない形で免疫が強化されていた。ところが定期接種が始まって以降は、子どもがかかりにくくなったことで大人の免疫も強化されることがなくなり、親世代の20代〜40代の発症率が上がっているという。帯状疱疹は、治療が遅れると皮膚の症状がおさまっても神経痛や顔面の麻痺が残ることがある。外山医師によると、ウイルスの増殖がピークを迎える3日以内での治療が望ましく、初期であれば1週間程度で治るため早めの受診が大事。